ミュンヘン発 〓 ミュンヘン・フィルがトゥガン・ソヒエフを招いて特別演奏会を開催すると発表

2022/04/02
【最終更新日】2022/04/03

ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団(Munich Philharmoniker)が4月30日、トゥガン・ソヒエフ(Tugan Sokhiev)を招き、特別演奏会を開催すると発表した。演奏会は4月30日と5月1日に予定されていたタン・ドゥン作曲の《ブッダ受難曲》の公演が延期されたことを受けて行われるという。

公演が中止された《ブッダ受難曲》は2018年、ドイツのドレスデン音楽祭で世界初演された作品。中国の伝統的な楽器奏者や歌手の出演が求める作品で、新型コロナ・ウイルスの感染再拡大のため、中国人の出演者などが渡航出来ないことから延期されることになった。

特別演奏会のプログラムは、オーケストラの首席奏者ミヒャエル・マルティン・コフラーを迎えてのハチャトゥリアンのフルート協奏曲、ブラームスの交響曲第4番。

客演するトゥガン・ソヒエフはロシアのウクライナ侵略をめぐり、フランス・トゥールーズの市長からプーチン政権との距離を明確にするコメントを発表するよう求めれ、トゥールーズ・キャピトル管弦楽団とロシアのボリショイ劇場の音楽監督をともに即時辞任している

その後、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団が3月末から4月初めの客演をキャンセルしたが、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は4月、ローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団は5月、NHK交響楽団は来年1月の客演をキャンセルしていない

一方、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団は、ディーター・ライター市長が2015年から首席指揮者を務めてきたヴァレリー・ゲルギエフに対して、プーチン大統領によるウクライナ侵略から距離を置き、大統領の行動を明確に非難するよう要請、それにゲルギエフが返答しなかったことから、3月1日に解職している

写真:Münchner Philharmoniker


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