ニューヨーク・フィルハーモニックがロシアの指揮者トゥガン・ソヒエフ(Tugan Sokhiev)の出演をキャンセルした。ソヒエフは3月31日から4月2日に指揮台に立つ予定だった。声明では、「現在の世界情勢を考慮し、(降板は)ソヒエフ氏との話し合いの結果」という。同時に「来シーズン彼を迎えることをとても楽しみにしています」と述べている。
ソヒエフは6日、フランス・トゥールーズ市長から、ロシアのウクライナ侵略をめぐり、プーチン政権との距離を明確にするコメントを発表するよう求められたが、それを行わず、トゥールーズ・キャピトル管弦楽団、ボリショイ劇場の音楽監督を即時辞任した。
ソヒエフの代役に起用されるのは、アンナ・ラキティナ(Anna Rakitina)。中国・上海出身のピアニスト张昊辰(チャン・ハオチェン)をソリストに迎えるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、プロコフィエフの交響曲第5番といったプログラムを指揮する。
ラキティナはモスクワ出身の32歳。モスクワのチャイコフスキー音楽院を経て、ハンブルク音楽演劇大学で学び、ベルナルト・ハイティンク、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー、ウラディーミル・ユロフスキらに師事、2018年のニコライ・マルコ国際青年指揮者コンクールで第2位を獲得している。
写真: Marco Borggreve
ニューヨーク発 〓 ニューヨーク・フィルがトゥガン・ソヒエフの出演をキャンセル
2022/03/19
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