ローマ発 〓 ムーティがコンテ首相に劇場再開を求める公開書簡

2020/10/27

イタリア政府は25日、新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることを受け、飲食店の午後6時以降の営業を禁止する緊急措置を発表、これに伴ってホールや劇場は11月24日を目途に閉鎖された。

こうした政府の対応に対して、指揮者のリッカルド・ムーティ(Riccardo Muti)が劇場の再開を求める書簡を公開した。書簡は26日に公開されたもので、コンテ首相宛。全文は以下の通り。

……………………………………………………………………………………………


親愛なるコンテ大統領、

我が国にとってのこの長く悲劇的な時期におけるあなたの困難な責任と、私たちの仲間の市民の健康を守る緊急の必要性を理解している間、私は心からの訴えをすることを強いられています。

コンサートホールや劇場を閉鎖することは重大な決断です。心と精神の貧困は危険であり、また身体の健康を害します。政府の代表者の言うことを聞いたように、演劇や音楽の活動を定義するために、「余計な」とは無知の表現であり、文化や感性の欠如を示しています。

そのような決定は、この決定によって侮辱され、彼らの将来を恐れたままにされている舞台芸術のすべての部門からの何千人もの芸術家と労働者の犠牲と苦しみを考慮に入れていません。

アーティストだけでなく、多くの人々の想いを伝え、劇場やミュージカル活動に命を吹き込み、社会がますます残忍になっていく精神的な支えを提供できるように、自信を持ってお願いします。

劇場は、反コビッド規制と示された安全対策をよく知っている人々によって統治されており、規則は常に細心の注意を払って尊重されてきました。

このアピールを聞いていただきたいと思いますが、

よろしくお願いいたします。


……………………………………………………………………………………………


Dear President Conte,

While I understand your difficult responsibilities in this long and tragic period for our country, and with the urgent need to safeguard the health of our fellow citizens, I am impelled to make a heartfelt appeal.

Closing concert halls and theatres is a grave decision. The impoverishment of the mind and spirit is dangerous and also harms physical health. To define theatrical and musical activity, as I have heard some government representatives say, as “superfluous” is an expression of ignorance, and shows a lack of culture and sensitivity.

Such a decision does not take into account the sacrifice and suffering of thousands of artists and workers from all sectors of the performing arts who are insulted by this decision and are left fearful for their futures.

I ask you, confident that I’m conveying the thoughts not only of the artists but also of much of the public, to give life back to theatres and musical activities so they can provide the spiritual sustenance without which society is becoming more and more brutalized.

The theatres are governed by people who are well aware of the anti-Covid regulations and the safety measures indicated, and rules have always been meticulously respected.

I hope that you will listen to this appeal,

With warm regards,


写真:riccardomuti.com / Martin Kubik


関連記事

  1. ロンドン発 〓 「BBCミュージック・マガジン」年次賞のノミネート・アルバム決まる

  2. パリ発 〓 シャンゼリゼ劇場が2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  3. トロント発 〓 トランペットのコレッティが「カナディアン・ブラス」を退団

  4. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場が“Nightly Met Opera Streams”の第11週、第12週のラインナップ発表

  5. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場が“Nightly Met Opera Streams”の第10週のラインナップ発表

  6. 訃報 〓 クリスティアーヌ・エダ=ピエール, フランスのソプラノ歌手

  7. ドレスデン発 〓 ザクセン州立歌劇場の次期芸術監督にグラーツ歌劇場のノラ・シュミット

  8. ベルリン発 〓 州立歌劇場も無料のストリーミングを開始、4月19日まで

  9. コペンハーゲン発 〓 デンマーク王立管の首席客演指揮者にパオロ・カリニャーニ

  10. ベルリン発 〓 作曲家のジョン・ウィリアムズが指揮者として今度はベルリン・フィルにデビュー

  11. ニューヨーク発 〓 音楽マネージメント大手コロンビア・アーティスツが経営破綻

  12. ヒューストン発 〓 ヒューストン交響楽団の次期音楽監督にスロヴァキアの指揮者ユライ・ヴァルチュハ

  13. ウィーン発 〓 2022年の「ニューイヤー・コンサート」の指揮者はバレンボイム

  14. ウィーン発 〓 楽友協会が6月から再開、ウィーン・フィルのコンサートも

  15. ウィーン発 〓 ウィーン・フィルが総裁二人に名誉会員の称号

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。