反ユダヤ主義への反対など、政治的な発言で知られるピアニストのイゴール・レヴィット(Igor Levit)が今年で25周年を迎えたドイツの「ハイデルベルクの春」音楽祭の共同芸術監督に就任した。任期は5年。音楽祭には2011年から出演、2013年には「アーティスト・イン・レジデンス」を務めている。
レヴィットは1987年、旧・ソ連ニジニ・ノヴゴロド生まれの35歳。伝説のピアニストとして知られるゲンリヒ・ネイガウスの孫娘でオペラ歌手だった母の手ほどきを受けて3歳からピアノを始め、8歳だった1995年に家族とドイツのハノーファーに移住。ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院を経てハノーファー音楽大学で学んだ。
政治問題にも積極的に関わり、2018年には、ドイツのレコード賞「エコー賞」ポップス部門の受賞グループの楽曲に反ユダヤ主義的な歌詞が含まれていることに抗議し、2014年に受賞していた賞を返上。それがきっかけとなり、「エコー賞」は「オーパス・クラシック」として再出発することになった。
2019年から母校のピアノ教授を務め、ベートーヴェン生誕250周年の2020年にはピアノ・ソナタ全集をリリース、それがグラミー賞にノミネートされた他、サティのヴェクサシオンを15時間にわたってライブ配信。年末にはノーベル賞授賞式コンサートのソリストに招かれている。
写真:Felix Broede
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ハイデルベルク発 〓 ピアニストのイゴール・レヴィットが「ハイデルベルクの春」音楽祭の共同芸術監督に就任
2022/04/08
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