ポルトガルの世界的ピアニスト、マリア・ジョアン・ピレシュ(Maria João Pires)が軽度の脳梗塞で当面のコンサートをキャンセルした。キャンセルしたのはスペイン国内の、9日のブラガ、13日のシントラ、18日のファロでのコンサート。
ピレシュは首都リスボン生まれの80歳。地元の国立音楽院で作曲と音楽理論を学んだ後、17歳でドイツに留学。1970年にベートーヴェン生誕200周年記念コンクールで優勝し、1986年にロンドンのクイーン・エリザベス・ホールで初リサイタルを開いたのを皮切りに国際舞台での活躍を始めた。
1999年にはポルトガル東部に農村出身の子供たちのための合唱団の活動やワークショップの拠点として「ベルガイシュ芸術センター」を設立。2012年にはベルギーで、恵まれない環境の子供たちのための合唱団を結成するなど社会活動にも積極的に取り組んできた。
初来日は1969年で、大の親日家。公演の合間には文楽や歌舞伎など日本の古典芸能を鑑賞している。2008年にはNHKの教育番組「スーパーピアノレッスン」で講師を務めている。昨年、世界の優れた芸術家を顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞している。
2017年末に2018年で現役の舞台からは退くと発表したが、その後も移住先のブラジルのバイーア州サルヴァドールを拠点に国際的な演奏活動を続けてきた。
写真:Palau de la Música
プラガ発 〓 マリア・ジョアン・ピレシュが軽度の脳梗塞で当面のコンサートをキャンセル

2025/06/12
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