ロシアを代表するバレエ・ダンサーの一人イーゴリ・ゼレンスキー(Igor Zelensky)が4日、ドイツ・ミュンヘンを本拠地とするバイエルン州立オペラのバレエ団の監督を突然辞任した。ゼレンスキーは2016年からその任にあり、退団の理由について本人とバレエ団は家庭の事情と発表している。
ゼレンスキーは1969年、ロシア南部クラスノダール生まれの52歳。1988年に旧キーロフ・バレエ団(現在のマリインスキー劇場バレエ団)に入団、1991年にプリンシパルに昇格した。1992年から1997年にニューヨーク・シティ・バレエ団のプリンシパルを兼任、2008年には「ロシア人民芸術家」を受章している。
その後、ノヴォシビルスクの国立オペラ・バレエ劇場の芸術監督に就任。2011年からはモスクワのスタニスラフスキー&ネミロヴィチ=ダンチェンコ記念国立音楽劇場の芸術監督も兼任した。
州立オペラのセルジュ・ドルニー総裁は「ゼレンスキーと彼の家族の幸せを願っています。この数年、ゼレンスキー氏は、バイエルン州立バレエ団の国際的な魅力を高めてきた。そのおかげで、私たちは自信を持って将来を見据えることができます」と述べている。
ただ、関係者によると、辞任の背景には、州政府からロシアのプーチン大統領との関係について声明を出すよう求められたことがあるとされる。ゼレンスキーはクリミア半島に文化センターを作る目的で大統領によって設立された「国家文化遺産財団」の顧問を務めており、それについて、ドイツのメディアによる取材が進んでいた。
写真:Bayerische Staatsballet
ミュンヘン発 〓 イーゴリ・ゼレンスキーがバイエルン州立バレエ団の監督を突然辞任
2022/04/08
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