訃報 〓 ミヒャエル・ギーレン(91)ドイツの指揮者

2019/03/09
【最終更新日】2023/02/16

指揮者のミヒャエル・ギーレン(Michael Gielen)が8日、91歳で亡くなった。2014年に指揮活動からの引退を発表していた。欧米各地のオーケストラを指揮、明晰なアプローチでオーケストラから鮮烈なサウンドを引き出すその手腕で知られ、オペラから現代音楽まで幅広いレパートリーを誇る。

1927年、ドレスデンの生まれ。演出家のヨーゼフ・ギーレンを父に持ち、ナチスの台頭で1940年に家族全員でアルゼンチンのブエノスアイレスに移住。現地で哲学、ピアノ、音楽理論、作曲を学び、1947年からブエノスアイレスのテアトロ・コロンのコレペティターを務めた。

ヨーロッパに戻ったのは1950年。それから1960年までウィーン国立歌劇場の練習指揮者を務める。その後、ストックホルム王立歌劇場の音楽監督(1960-1965)、ベルギー国立管弦楽団首席指揮者(1969-1973)を務めた。

1977年にはフランクフルト歌劇場の音楽総監督に就任。1979年にシュレーカーのオペラ《烙印を押された人々》の復活上演を手掛け、その後、ヨーロッパ口で上演されるきっかけを作った。

退任後もシンシナティ交響楽団の音楽監督(1980-1986)、南西ドイツ放送交響楽団(1986-1999)の首席指揮者を歴任した。

写真:SWR


関連記事

  1. バニング発 〓 アナログ・レコード人気に打撃、ラッカー盤製造メーカーの工場が全焼

  2. ウィーン発 〓 作曲家ジョン・ウィリアムズがついにウィーン・フィルを指揮

  3. ストックホルム発 〓 ソプラノ歌手のコルネリア・ベスコフに2022年の「ビルギット・ニルソン奨学金」

  4. モスクワ発 〓 ドミンゴもボリショイ劇場での今後の出演見合わせ

  5. ミュンヘン発 〓 ラトルが2025年のエルンスト・フォン・ジーメンス音楽賞を受賞

  6. ヘルシンキ発 〓 フィンランド国立オペラ・バレエが2021/2022シーズンの公演ラインナップを発表

  7. ヴィリニュス発 〓 リトアニア国立オペラ・バレエ閉鎖へ、総監督の新型コロナ感染で

  8. 訃報 〓 ルイス・デ・パブロ(91)スペインの作曲家

  9. サンクト・ペテルブルク発 〓 ミハイロフスキー劇場の音楽監督にアレヴティナ・ヨッフェ、ロシア初の女性音楽監督

  10. 訃報 〓 エディタ・グルベローヴァ(74)スロバキアのソプラノ歌手

  11. オーデンセ発 〓 オーデンセ響の首席指揮者にピエール・ブリューズ

  12. シュトゥットガルト発 〓 コルネリウス・マイスターが州立劇場の音楽総監督退任へ

  13. グラインドボーン発 〓 代役の呼び寄せに音楽祭がヘリコプターを手配、老舗の貫禄

  14. フランクフルト発 〓 フランクフルト歌劇場が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

  15. クリーブランド発 〓 米国のクリーブランド管が音楽監督のフランツ・ウェルザー=メストに率いられて8月末から9月上旬にかけてヨーロッパ・ツアー

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。