ナポリのサン・カルロ劇場総裁を務めていたステファン・リスナー(Stephane Lissner)が6月に70歳を迎えたという理由で突然解任された件をめぐり、イタリアの裁判所が復職を認める判決を出した。劇場はメローニ政権がオペラ財団のトップの年齢制限を70歳とする新法を施行させたことを受け、2025年3月31日の任期満了前にリスナーを解任していた。
イタリアでの報道をまとめると、判決では、裁判所は新たに導入された年齢制限を差別的であると認定、新法は履行が始まっている契約には適用できず、早期の契約解除は違法と判断、復職を求めるリスナーの主張を支持した。リスナーはパリ国立オペラの総裁退任後、2021年から劇場の総裁を務めていた。
劇場はリスナーの解任後、9月1日からローマ歌劇場の総裁やイタリア放送協会(RAI)の最高経営責任者を歴任してきたカルロ・フォルテス(Carlo Fuortes)を後任に迎えている。今後、どちらかが辞任する、あるいは裁判所がフォルテスの任命を違法と認定するのか、オペラ界の注目を集めている。
写真:Andreas Solaro
ナポリ発 〓 裁判所がステファン・リスナーの復職認める、サン・カルロ劇場の総裁ポストめぐり
2023/09/17
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