ハノーファー発 〓 指揮者のインゴ・メッツマッハーがヘレンハウゼン芸術祭の芸術監督を“卒業”

2024/01/16

ドイツ・ハノーファーで行われているヘレンハウゼン芸術祭の芸術監督を務めてきた指揮者のインゴ・メッツマッハー(Ingo Metzmacher)が2025年で退任すると発表した。メッツマッハーは2015年からその任にあり、在任10年での退任に「指揮者としての仕事にもっと時間を割きたい」。後任はまだ発表されていない。

メッツマッハーは1957年、ハノーファー生まれの66歳。ハノーファー、ザルツブルク、ケルンでピアノ、音楽理論、指揮の教育を受ける。その後、1980年に現代音楽の解釈を専門とする室内合奏団でフランクフルトを拠点とする「アンサンブル・モデルン」にピアニストとして参加した。

指揮活動は1985年頃からスタート、1987年にはフランクフルト市立オペラでオペラ・デビューを飾った。現代音楽のスペシャリストとしての評価が高く、数多くのオーケストラに客演し、録音にも数多く参加。1994年にハンス・ヴェルナー・ヘンツェの交響曲第6番改訂版の初演を指揮。1997年には交響曲第9番を作曲者の依頼で世界初演を手掛けている。

1997年にはハンブルク州立オペラの音楽総監督に就任。退任した2005年には、ドイツのオペラ専門誌「オペルンヴェルト=Opernwelt」の「年間最優秀歌劇場」に選ばれている。その後、アムステルダムのオランダ国立オペラの首席指揮者(2005ー2008)、ベルリン・ドイツ交響楽団の首席指揮者兼芸術監督(2007ー2012)を歴任した。

芸術祭の舞台となってきたへレンハウゼンは1700年代、ハノーバー選帝侯夫人だったソフィー・フォン・デア・プファルツが造らせたバロック式庭園。第2代芸術監督のメッツマッハー時代から、庭園以外に市内にも演奏会場が設けられるようになり、2023年の来場者数は約2万人。2024年は5月16日から6月2日までの開催。

写真:NDR / Susann Ziegler


  音楽祭プロフィールはこちら ▷


関連記事

  1. バイロイト発 〓 バイロイト音楽祭が中止を発表、開幕延期はかなわず

  2. バイロイト発 〓 バイロイト音楽祭が今後の計画を発表、音楽祭150周年の2026年から新しい《指環》

  3. ペーザロ発 〓 ロッシーニ・オペラ・フェスティバルが2023年の公演ラインナップを発表

  4. ミュンヘン発 〓 ミュンヘン国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で、岡本誠司が優勝

  5. リューベック発 〓 市立劇場が音楽総監督シュテファン・ヴラダーとの契約を延長

  6. ベルリン発 〓 ドイツが過去最大規模の21億ユーロで文化支出を支援

  7. マグデブルク発 〓 マグデブルク劇場の次期音楽総監督にアンナ・スクリレーワ

  8. ザルツブルク発 〓 ザルツブルク音楽祭が2022年夏の公演ラインナップを発表

  9. ヴェッセルビューレン発 〓 五嶋みどりに「ブラームス賞」

  10. ケルン発 〓 指揮者のフランソワ=グザヴィエ・ロトがケルン市との契約を延長

  11. シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭 〓 今年の「レナード・バーンスタイン賞」はピアノのイサタ・カネー=メイソンに

  12. ミュンヘン発 〓 作曲家ワーグナーの曾孫、エヴァ・ワグナー・パスキエが退院

  13. パルマ発 〓 イタリアのヴェルディ音楽祭が2024年の公演ラインナップを発表

  14. ヴェローナ発 〓 ヴェローナ音楽祭が2022年の公演ラインナップを発表、ネトレプコが出演

  15. ルートヴィヒスハーフェン発 〓 ラインラント=プファルツ州立フィルが次期首席指揮者にマイケル・フランシス

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。