オーストリアのザルツブルク音楽祭(Salzburger Festspiele)が2022年の公演ラインナップを発表した。それによると、音楽祭は7月18日から8月31日の開催。45日間の期間中、17の会場で174公演が行われる。音楽祭は1995年から総裁を務めてきたヘルガ・ラーブル=シュタドラーが2021年末で退任、2022年1月からはクリスティーナ・ハマー(写真右から3人目)が任期5年で新総裁に就任する。
2022年のオペラは、新制作、再演、コンサート形式を含めて8作品。ロメオ・カステルッチ演出の《青ひげ公の城》、バリー・コスキー演出の《カーチャ・カバノヴァー》、クリストフ・ロイ演出のプッチーニの3部作が新制作で、アスミク・グリゴリアンが3部作すべてに出演する。
また、再演では、聖霊降臨祭の芸術監督を務めるチェチーリア・バルトリ自らが出演する《セビリアの理髪師》が夏も上演される他、シリン・ネシャット演出の《アイーダ》が復活。4年目に入るリディア・スタイアー演出の《魔笛》をヨアナ・マルヴィッツが指揮するのも話題。
音楽祭の「レジデント・オーケストラ=座付きオーケストラ」であるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートを指揮する指揮者は、クリスティアン・ティーレマン、アンドリス・ネルソンス、リッカルド・ムーティ、ダニエル・バレンボイム、エサ=ペッカ・サロネンの5人。
一方、アンドルー・マンゼ、リッカルド・ミナージ、アダム・フィッシャー、ヨアナ・マルヴィッツ、アイヴァー・ボルトンの面々が「モーツァルト・マチネー」コンサートを指揮する。
リサイタルなどのアーティストの顔ぶれもいつもながらの豪華さで、ピエール=ローラン・エマール、ダニール・トリフォノフ、クリスティアン・ゲルハーヘル、エフゲニー・キーシン、グリゴリー・ソコロフ、アンドラーシュ・シフ、イェフィム・ブロンフマン、アルカーディ・ヴォロドス、マウリツィオ・ポリーニ、イゴール・レヴィット、ファン・ディエゴ・フローレスたちが顔を揃える。
また、客演オーケストラは、ウィーン放送交響楽団(マリン・オールソップ)、ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団(ダニエル・バレンボイム)、ムジカエテルナ(テオドール・クルレンツィス)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(キリル・ペトレンコ)、ピッツバーグ交響楽団(マンフレート・ホーネック)と、こちらも強豪揃い。
……… オペラ
7月26日 – 8月20日
バルトーク《青ひげ公の城》
[演出]ロメオ・カステルッチ
[出演]ミカ・カレス / アウシュリネ・ストゥンディーテ / ナデジュダ・パヴロヴァ / ヘレナ・ラスケル
[指揮]テオドール・クルレンツィス
[オーケストラ]グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団
会場:フェルゼンライトシューレ
7月27日
ヴォルフガング・リーム《ヤーコプ・レンツ》= 演奏会形式
[出演]ゲオルグ・ナジ / ダミアン・パス / ジョン・ダザック
[指揮]マキシム・パスカル
[オーケストラ]アンサンブル・ル・バルコン
会場:モーツァルト劇場
7月29日 – 8月21日
プッチーニ:3部作
[演出]クリストフ・ロイ
[出演]《ジャンニ・スキッキ》アスミク・グリゴリアン / ミシャ・キリア / アレクセイ・ネクリドフ《外套》アスミク・グリゴリアン / ローマン・ブルデンコ / ジョシュア・ゲレロ《修道女アンジェリカ》アスミク・グリゴリアン / カリタ・マッティラ / ハンナ・シュヴァルツ / エンケレイダ・シュコサ
[指揮]フランツ・ウェルザー=メスト
[オーケストラ]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
会場:祝祭大劇場
7月30日 – 8月27日
モーツァルト《魔笛》
[演出]リディア・スタイアー
[出演]タレク・ナズミ / マウロ・ペーター / ブレンダ・ラエ / レグラ・ミューレマン / ミヒャエル・ナジ / マリーナ・ナザロヴァ
[指揮]ヨアナ・マルヴィッツ
[オーケストラ]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
会場:モーツァルト劇場
8月4日 – 16日
ロッシーニ《セビリアの理髪師》
[演出]ローランド・ビリャソン
[出演]ニコラ・アライモ / エドガルド・ロチャ / チェチーリア・バルトリ / アレッサンドロ・コルベッリ / イルダル・アブドラザコフ / ホセ・コカ・ロサ
[指揮]ジャンルカ・カプアーノ
[オーケストラ]モナコ公の音楽家たち
会場:モーツァルト劇場
8月7日 – 29日
ヤナーチェク《カーチャ・カバノヴァー》
[演出]バリー・コスキー
[出演]コリーヌ・ウィンターズ / イェンス・ラーセン / デイヴィッド・バット・フィリップ / エヴェリン・ヘルリツィウス / ヤロスラフ・ブジェジナ / ベンジャミン・ヒューレット / マイケル・モフィディアン
[指揮]ヤクブ・フルシャ
[オーケストラ]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
会場:フェルゼンライトシューレ
8月12日 – 30日
ヴェルディ《アイーダ》
[演出]シリン・ネシャット
[出演]ロベルト・タリアヴィーニ / アニタ・ラチヴェリシュヴィリ / エレナ・スティッキナ / ピョートル・ベチャワ / アーウィン・シュロット / ルカ・サルシ
[指揮]アラン・アルティノグリュ
[オーケストラ]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
会場:祝祭大劇場
8月25日
ドニゼッティ《ルチア》 = 演奏会形式
[出演]リセッテ・オロペサ / リュドヴィク・テジエ / ベンジャミン・ベルンハイム / ロベルト・タリアヴィーニ
[指揮]ダニエレ・ルスティオーニ
[オーケストラ]モーツァルテウム管弦楽団
会場:祝祭大劇場
写真:Salzburger Festspiele / Erika Mayer
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