入院していた作曲家ワーグナーの曾孫、エヴァ・ワグナー・パスキエ(Eva Wagner-Pasquier)がミュンヘンの病院を退院したことが明らかになった。エヴァは昨年7月末、意識不明状態でイザール川に浮かんでいるところを発見され、病院で蘇生措置を受けて一命を取り留め入院療養していた。
エヴァが緊急搬送されたのは、昨年7月29日。女性が川に浮いているのを見付けた男性の通報で緊急搬送された。現場近くに居住していたこと、河畔をよく散歩していたこと、健康状態が悪かったことなどから、捜査当局は当時、つまずいて川に転落した可能性などを調べていた。
77歳のエヴァは退院に当たり、「あの日、何が起こったのか、まったくわからないんです。今、私は生還するために戦っているところです。長い道のりだし、自分のことは自分でやらなければならない。でも、かなり元気でやっていますよ」と、現地メディアにコメントしている。
エヴァはワーグナーの孫で演出家のヴォルフガング・ワーグナーとその最初の妻エレン・ドレクセルの娘。1967年から1976年まで音楽祭で父の助手を務め、その後、ウィーン国立歌劇場やパリ国立オペラのスタッフ、エクス=アン=プロヴァンス音楽祭、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の芸術アドバイザーなどを歴任した。
2008年からは、異母妹のカタリーナ(二番目の妻グードルンとヴォルフガングの娘)と共同で音楽祭の芸術監督、運営理事長を務めた。しかし、共同運営の難しさを理由に2015年を最後に音楽祭を去っている。
写真:Bayreuther Festspiele
ミュンヘン発 〓 作曲家ワーグナーの曾孫、エヴァ・ワグナー・パスキエが退院
2022/08/03
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