英国のイングリッシュ・ナショナル・オペラ(ENO)が5日、本拠地をロンドンからマンチェスターに移すことを発表した。イングリッシュ・ナショナル・オペラをめぐっては昨年11月、文化予算削減策の中で、年間1,260万ポンド(約21億円)の支給が打ち切られ、代わりに一時金を受け取ってロンドンを離れ、新しいビジネスモデルの開発を模索することが求められていた。
発表によると、候補地に挙がったのはバーミンガム、ブリストル、リバプール、ノッティンガム、そして、マンチェスターの5都市。その中でマンチェスターは常駐のオペラ・カンパニーがないヨーロッパ最大の都市で、移転は2029年になるという。また、移転後も、これまで本拠地にしてきたロンドン・コロシアムへの出前公演も企画される。
ENOはすべての作品を英語で上演しているオペラ・カンパニー。1968年に本拠地をロンドン・コロシアムに移し、1974年から現在の名称を使って活動を続けてきた。チケット価格も低く抑え、どの作品も手話付き上演が必ず一回組み込まれるなど、オペラへの敷居を低くしようとする姿勢で知られてきた。
昨年の予算削減の発表の直後から、バリトン歌手のブリン・ターフェルら英国の音楽家が次々に反対の声を上げた他、この10月には7年にわたって音楽監督を務めてきた指揮者のマーティン・ブラビンズが具体的に提示された人員削減案などに抗議して辞任している。
写真:English National Opera
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ロンドン発 〓 イングリッシュ・ナショナル・オペラ、本拠地をロンドンからマンチェスターに
2023/12/06
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