シュトゥットガルト発 〓 SWR交響楽団の次期首席指揮者兼芸術監督にフランソワ=グザヴィエ・ロト、クルレンツィスは退任へ

2022/10/01
【最終更新日】2022/10/02

ドイツ・シュトゥットガルトを本拠地とするSWR交響楽団が30日、次期首席指揮者兼芸術監督にフランス人指揮者のフランソワ=グザヴィエ・ロト(François-Xavier Roth)を迎えると発表した。

任期は2025/2026年シーズンから。現在の首席指揮者は2018/2019シーズンからその任にあるテオドール・クルレンツィスで、2023/2024シーズンで任期満了を迎える。

ロトはパリ生まれの50歳。パリ高等音楽院で学んで指揮者として活動を始め、2003年には作曲年代に合わせて楽器を使い分けるオーケストラ「レ・シエクル」を創設。その活動で注目を集め、その後、国際的に活躍の場を広げている。

現在はケルン市の音楽総監督として(任期は2024/2025シーズンの終わりまで)、ケルン市立歌劇場とそのピットにも入るギュルツェニヒ管弦楽団を率い、ロンドン交響楽団の首席客演指揮者、フランス・トゥールコワンのアトリエ・リリックの芸術監督も務めている。

クルレンツィスはロシアのウクライナへの武力侵攻後も慎重にロシア批判を避けてきた。ただ、彼がこれまで率いてきたムジカエテルナのスポンサーがプーチン大統領に近いロシア第二の銀行VTB銀行の支援を受けていることに対してドイツを中心に問題視されている。

彼はそれを受け、「ムジカエテルナ」を発展解消させる形で、新しいオーケストラ「ユートピア」の設立を発表しているが、それがまた、“オーケストラ・ロンダリング”を疑われるという悪循環を招いてもいる。

写真:SWR Symphonieorchesters

  もっと詳しく ▷


関連記事

  1. ストックホルム発 〓 2024年のノーベル賞コンサートの指揮はペトル・ポペルカ、マリン・ビストレムが出演

  2. ロンドン発 〓 発表、オペラ・アワード2018

  3. 訃報 〓 レイモンド・レッパード(92)英国の指揮者

  4. 訃報 〓 クリスタ・ルートヴィヒ(93)ドイツのメゾ・ソプラノ歌手

  5. ボルドー発 〓 ボルドー・アキテーヌ国立管の音楽監督にジョセフ・スヴェンセン

  6. アムステルダム発 〓 北欧ツアーの代役でディーマ・スロボデニュークがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団デビュー

  7. ブリュッセル発 〓 モネ劇場が《薔薇の騎士》を無料ストリーミング

  8. ミュンヘン発 〓 補償の必要ないとミュンヘン市政府の法律顧問、ゲルギエフ解任で

  9. ベルリン発 〓 レコード賞「オーパス・クラシック」授賞式がコンツェルトハウスで

  10. グラフェネック発 〓 小澤征爾がオーストリア音楽劇場賞の特別賞「国際文化貢献賞」を受賞

  11. ストックホルム発 〓 ファスト・ファッション界の雄「H&M」オーナーが母国のロイヤル・ストックホルム・フィルに1000万ドルを寄付

  12. リバプール発 〓 ロイヤル・リバプール・フィルの次期首席指揮者にドミンゴ・インドヤン

  13. フィラデルフィア発 〓 指揮者のネゼ=セガンがバイデン大統領、ハリス副大統領に公開書簡

  14. ベルガモ発 〓 ドミンゴがバリトンの新しい役に挑戦

  15. ヒューストン発 〓 ヒューストン響が音楽監督のユライ・ヴァルチュハとの契約を延長

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。