パリのバスティーユ歌劇場(Opera Bastille)が初の大規模改修工事のため、2030年から3年間休館することが明らかになった。劇場はパリ国立オペラの2つ目の劇場で、フランス革命200年を記念して1989年に開館した。屋根から舞台機構まで老朽化が激しく、改修費用は4億ユーロ(約666億円)を超えるという。この決定に有力紙に解体の是非を問う記事が掲載され、話題を呼んでいる。
記事が掲載されたのは、右派系有力紙の「フィガロ」。コラムニストのジャン=ピエール・ロビンの記事では、バスティーユ歌劇場で行われている公演には、国から1席あたり123ユーロ(約2万円)の補助金が投入されていることを明らかにし、改修費はおそらく2倍に上昇すると予想。ならば、新しいものを建設したほうが良いのではないかと提案。その方がより快適で、運営費も安くなるとしている。
歌劇場は革命勃発の地であるバスティーユ広場の西側にあった駅跡地に建設され、1989年7月13日の落成。1990年3月17日のこけら落とし公演では、ベルリオーズの《トロイアの人々》が上演された。外観がガラス張りのモダニズム様式の建物で、設計はウルグアイ系カナダ人の建築家カルロス・オットー。内部は地上7階地下6階建てになっており、世界最大の9面舞台を持ち、座席数は2703。
写真:Opéra national de Paris
パリ発 〓 バスティーユ歌劇場が初の大規模改修工事で3年間休館、有力紙が解体を提案

2025/06/19
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