パリ発 〓 バスティーユ歌劇場が初の大規模改修工事で3年間休館、有力紙が解体を提案

2025/06/19

パリのバスティーユ歌劇場(Opera Bastille)が初の大規模改修工事のため、2030年から3年間休館することが明らかになった。劇場はパリ国立オペラの2つ目の劇場で、フランス革命200年を記念して1989年に開館した。屋根から舞台機構まで老朽化が激しく、改修費用は4億ユーロ(約666億円)を超えるという。この決定に有力紙に解体の是非を問う記事が掲載され、話題を呼んでいる。

記事が掲載されたのは、右派系有力紙の「フィガロ」。コラムニストのジャン=ピエール・ロビンの記事では、バスティーユ歌劇場で行われている公演には、国から1席あたり123ユーロ(約2万円)の補助金が投入されていることを明らかにし、改修費はおそらく2倍に上昇すると予想。ならば、新しいものを建設したほうが良いのではないかと提案。その方がより快適で、運営費も安くなるとしている。

歌劇場は革命勃発の地であるバスティーユ広場の西側にあった駅跡地に建設され、1989年7月13日の落成。1990年3月17日のこけら落とし公演では、ベルリオーズの《トロイアの人々》が上演された。外観がガラス張りのモダニズム様式の建物で、設計はウルグアイ系カナダ人の建築家カルロス・オットー。内部は地上7階地下6階建てになっており、世界最大の9面舞台を持ち、座席数は2703。

写真:Opéra national de Paris


関連記事

  1. パレルモ発 〓 ピアノのプレトニョフ、カワイのスペシャル・モデル盗まれる

  2. ミラノ発 〓 スカラ座が再開場

  3. ロンドン発 〓 「オペラ・アワード」が2022年の年間賞のノミネートを発表

  4. コペンハーゲン発 〓 「ニコライ・マルコ国際指揮者コンクール」で韓国のサミュエル・スンワン・リーが優勝

  5. リバプール発 〓 ロイヤル・リバプール・フィルの次期首席指揮者にドミンゴ・インドヤン

  6. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立オペラが新制作の《トリスタンとイゾルデ》を31日にライブ・ストリーミング

  7. ブリュッセル発 〓 モネ劇場が2月のストリーミング配信のラインナップを発表

  8. 訃報 〓 アントン・コッポラ(102)米国の指揮者、作曲家

  9. ブリスベン発 〓 「オペラ・オーストラリア」が新しい“リング”チクルス

  10. ウィーン発 〓 国立歌劇場が管弦楽団の首席チェロ奏者を解任

  11. クリーブランド発 〓 米国のクリーブランド管が音楽監督のフランツ・ウェルザー=メストに率いられて8月末から9月上旬にかけてヨーロッパ・ツアー

  12. シカゴ発 〓 ムーティがシカゴ響の指揮をキャンセル、また新型コロナの陽性反応。代役にリナ・ゴンサレス・グラナドス

  13. デトロイト発 〓 デトロイト響の首席客演指揮者にノルウェーのタビタ・ベルグルンド

  14. パリ発 〓 指揮者のスペランツァ・スカップッチにフランスの「芸術文化勲章シュヴァリエ」

  15. ヴェッセルビューレン発 〓 2024年の「ブラームス賞」に指揮者のケント・ナガノ

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。