世界的指揮者の小澤征爾が総監督を務め、長野県松本市で毎夏行われている「セイジ・オザワ松本フェスティバル」が2023年の公演概要を発表した。サイトウ・キネン・オーケストラを指揮するのは二人で、フランスの気鋭ステファン・ドゥネーブ、そしてなんと、この8日に91歳を迎えた映画音楽巨匠ジョン・ウィリアムズが客演する。
発表によると、開催は8月19日から9月6日の19日間。ドゥネーブはラヴェルのオペラ《スペインの時》を指揮した2013年の以来の客演で(2020年の出演が予定されながらコロナ禍でキャンセル)、今回はプーランク《スターバト・マーテル》、ラヴェル《ダフニスとクロエ》第2組曲を指揮する。
一方、ウィリアムズは自作の映画音楽を指揮。詳細は後日の発表ながら、音楽祭は、映画『スター・ウォーズ』や『E.T.』、『ハリー・ポッター』など代表作はプログラムに入るとしている。
音楽祭によれば、ウィリアムズに指揮することを勧めたのは小澤。ウィリアムズは1975年の映画『ジョーズ』の音楽で「アカデミー賞」の作曲賞、「グラミー賞」を受賞、作曲家としての名声を確立したが、指揮を勧めた小澤は1979年、音楽監督を務めるボストン交響楽団を母体にしたボストン・ポップス・オーケストラに指揮者として招いた。
ウィリアムズは翌年にボストン・ポップス・オーケストラの音楽監督に就任。1993年に退任した後も名誉指揮者、桂冠指揮者として、ボストン・ポップス・オーケストラ、また、母体であるボストン交響楽団のに指揮台にしばしば立っている。
2020年1月にウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮台に立ち、2021年10月にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮。そのライブ録音のCDは世界的なヒットを記録し、昨年の12月にはミラノ・スカラ座管弦楽団を指揮してイタリア・デビューを飾るなど、このところ指揮者として旺盛な活動が続いている。
また先月19日、音楽を手掛けた映画『フェイブルマンズ』と『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』の公開に合わせ、スティーブン・スピルバーグ監督とのトーク・イベントに出席。司会者からこの二作が最後の作品になるという報道があるがと訊かれてこれを否定するなど、元気なところを見せている。
写真:Boston Pops Orchestra / Michael Blanchard
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松本発 〓 「セイジ・オザワ松本フェスティバル」が2023年の概要を発表、なんとジョン・ウィリアムズが客演!
2023/02/08
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