ザルツブルク音楽祭 〓 2018年の夏の音楽祭のプログラムを発表

2017/11/10
【最終更新日】2018/02/06

ザルツブルクの夏の音楽祭のプログラムが発表された。2018年はマルクス・ヒンターホイザーが芸術監督に就任して2年目となるが、相変わらず多彩なプログラムが並んでいる。オペラはモーツァルトの作品が毎年必ず上演されるが、2018年は《魔笛》で、コンスタンティン・カリーディスの指揮、リディア・スタイアーの演出。ザラストロにマティアス・ゲルネ、夜の女王にアルビナ・シャギムラトヴァという布陣に加え、ドイツの名優ブルーノ・ガンツが「語り手」を務めることで話題を集める。

大劇場では、過激な演出で知られる大御所ハンス・ノイエンフェルスが起用されたチャイコフスキーの《スペードの女王》もある。こちらは、マリス・ヤンソンスの指揮。もう一つ、演奏会形式による《真珠採り》も。こちらはプラシド・ドミンゴが出演する。フェルゼンライトシューレで上演されるのはリヒャルト・シュトラウスの《サロメ》で、指揮はフランツ・ウェルザー=メスト、演出はロメオ・カステルッチ、アスミク・グリゴリアンが主役のサロメを歌う。もう一つ、ヘンツェの《バッカスの巫女》もフェルゼンライトシューレで、こちらはケント・ナガノが指揮する。モーツァルト劇場(かつての祝祭小劇場)では、ロッシーニの《アルジェのイタリア女》がジャン=クリストフ・スピノジ指揮のアンサンブル・マテウス、チェチーリア・バルトリらの出演で。小劇場では、ウィリアム・クリスティ指揮のレザール・フロリサン、ヤン・ロワース演出によるモンテヴェルディ《ポッペアの戴冠》もある。

一方のオーケストラのコンサート。ウィーン・フィルの演奏会の指揮台に立つのは、アンドリス・ネルソンス、エサ・ペッカ・サロネン、リッカルド・ムーティ、ヘルベルト・ブロムシュテット、フランツ・ウェルザー=メスト。ゲスト・オーケストラはロンドン交響楽団、ベルリン・フィルのコンサートが2回ずつ。それぞれ、サイモン・ラトル、キリル・ペトレンコが指揮する。また、ウェスト・イースタン・ディヴァン管弦楽団演奏会をダニエル・バレンボイムが指揮するコンサートもある。8月後半には、テオドール・クルレンツィスが指揮するムジカ・エテルナによるベートーヴェンの交響曲全曲演奏も行われる。

リサイタルの顔ぶれも、エフゲニー・キーシン、ユジャ・ワン、ダニール・トリフォノフ、アンドラーシュ・シフ、ヨナス・カウフマンと豪華。アンナ・ネトレプコとユシフ・エイヴァゾフのデュオ・リサイタルもある。本公演ではないが、日生劇場のダ=ポンテ3部作などで活躍中の菅尾友が「こどものための《魔笛》公演」でザルツブルク・デビューを果たすという話題もある。

    音楽祭情報はこちら ▶

関連記事

  1. ニューヨーク発 〓 ワーナー・クラシックスが世界初のベルリオーズ作品全集

  2. ブレゲンツ音楽祭 〓 2021年、2022年はホモキ演出の《蝶々夫人》

  3. バーゼル発 〓 バーゼル劇場の音楽監督にクリスティーナ・ポスカ

  4. グラインドボーン音楽祭 〓 コンクール「オペラ・カップ」終了、優勝はサマンサ・ハンキー

  5. アムステルダム発 〓 ロイヤル・コンセルトヘボウ管が2019/2020シーズンの公演スケジュールを発表

  6. ローマ発 〓 18歳から25歳限定で2ユーロのオペラ鑑賞チケット発売

  7. パリ発 〓 第4回「エフゲニー・スヴェトラーノフ国際指揮者コンクール」終了

  8. 東京発 〓 ブロムシュテットが「春の叙勲」で「旭日中綬章」を受章

  9. トリノ発 〓 RAI国立交響楽団の開幕コンサートをライブ放送

  10. マドリード発 〓 イベリア航空が自社初のA350を「プラシド・ドミンゴ」号と命名

  11. プラハ発 〓 プラハ国民劇場が次期芸術監督にノルウェー国立オペラの前芸術監督を招聘

  12. ザルツブルク音楽祭 〓 ソコロフのリサイタル中に祝祭大劇場の天井から雨漏り

  13. ウィーン発 〓 アルゲリッチがコンツェルトハウスの名誉会員に

  14. ヴェローナ音楽祭 〓 2019年のスケジュール発表

  15. ウィーン発 〓 メータが「オペルンバル」の指揮をキャンセル

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。