訃報 〓 パウル=ハインツ・ディートリヒ(90)ドイツの作曲家

2020/12/30
【最終更新日】2023/02/06

ドイツの作曲家パウル=ハインツ・ディートリヒ(Paul-Heinz Dittrich)28日、ベルリンで亡くなった。90歳だった。東ベルリンを拠点に活動し、1983年に西ドイツのドナウエッシンゲン音楽祭から東ドイツの作曲家として初めて作曲委嘱を受けるなど、旧・東ドイツを代表する作曲家の一人だった。

ザクセン州ゴルンスドルフの生まれで、ライプツィヒ音楽院(現在のフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽演劇大学ライプツィヒ)で作曲と指揮を学んだ後、東ベルリンのベルリン芸術アカデミーで学んだ。その後、東ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学の助手となるが、1976年に共産主義政権からの誘いを拒んで解雇され、作曲活動を本格化させた。

1981年にロックフェラー財団が設立したイタリアのベラージオ。センターに招かれ、1983年にはドナウエッシンゲン音楽祭から作曲委嘱を受け、1984年にはピエール・ブーレーズとソルボンヌ大学に招かれ、IRCAM(フランス国立音響音楽研究所)に招かれて世界的に知られるようになった。

1983年からはベルリン芸術アカデミーに戻って多くの学生を育て、1991年にはラインスベルク音楽アカデミーを設立、芸術監督を務めた。作曲活動はオーケストラ作品から電子楽器作品まで幅広く、80歳を記念したコンサートでは1970年代、1990年代の作品などが演奏された他、2014年には、ベルリン州立歌劇場で彼の作品に焦点を当てた演奏会が行われている。

写真:www.paulheinzdittrich.de


関連記事

  1. ミラノ発 〓 スカラ座で新たに二人の感染者

  2. ワシントン発 〓 ヴァイオリニストの五嶋みどりにケネディ・センター名誉賞

  3. 北京発 〓 中国の“ウイルス征圧”投稿が物議

  4. ウィーン発 〓 今年のサマー・ナイト・コンサートは6月18日と発表、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

  5. ブダペスト発 〓 イヴァン・フィッシャー率いるブダペスト祝祭管がハンガリー空軍の輸送機でブリュッセルへ

  6. ハンブルク発 〓 ドイツ・グラモフォンがアバドの生誕90年を記念して、残された録音をすべて収録した限定ボックス・セットをリリース

  7. ペルチャッハ発 〓 ブラームス国際コンクールの室内楽部門で、チェロの三井静とピアノの大淵真悠子が組んだ「Duo Minerva」が第2位

  8. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルの新しいクラリネット奏者はともにスロベニア出身で同門という二人

  9. ミラノ発 〓 スカラ座が2023/2024シーズンの公演ラインナップを発表

  10. 訃報 〓 コルネリウ・ムルグ(73)ルーマニアのテノール歌手

  11. ベルリン発 〓 コーミッシェ・オーパーが5月1日までの公演をキャンセル、4月の公演のキャンセルはドイツでは初めて

  12. 松本発 〓 小澤征爾が4年ぶりにサイトウ・キネン・オーケストラを指揮、演奏は宇宙の若田光一飛行士へライブ配信

  13. フォートワース発 〓 韓国のイム・ユンチャンが第16回「ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクール」で史上最年少優勝

  14. ベルリン発 〓 ベルリン・シュターツカペレが創立450年

  15. 東京発 〓 新国立劇場が6月、7月の公演中止を発表

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。