英国の指揮者アンドリュー・デイヴィス(Andrew Davis)が4月20日、シカゴで亡くなった。80歳だった。デイヴィスは昨年、白血病と診断され、2ヶ月前から体調が悪化していたという。
ハートフォードシャーの生まれで、ケンブリッジのキングス・カレッジで学び、オルガン奨学生として活躍。その後、指揮活動をスタートさせ、1975年にカナダのトロント交響楽団の音楽監督に就任した(ー1988)。続いて、1988年からは夏の「グラインドボーン・フェスティバル・オペラ」の音楽監督に就任した(ー2000)。
また、翌1989年からはBBC交響楽団の首席指揮者に就任、2000年に退任するまでロンドンの夏の音楽祭「BBCプロムス」では必ず千秋楽の「ラスト・ナイト」に出演、国民的な人気も獲得した。
その後、シカゴ・リリック・オペラ(2000ー2021)、メルボルン交響楽団(2013-2019)の首席指揮者などを歴任。2002年 には《ローエングリン》を指揮してバイロイト音楽祭にもデビューしている。その後も、国際的に著名なオーケストラに客演を重ねていた。今後もシカゴ交響楽団への客演など、予定されていた公演も多い。
レパートリーはバロックからヤナーチェク、メシアン、ブーレーズ、エルガー、ティペット、ブリテンなどの20世紀作品まで幅広く、残された録音も多い。最近になってワーナー・クラシックスから16枚組CDによる回顧コレクションとしてリリースされていた。
1992年に大英帝国勲章コマンダー(CBE)を受章、1999年には「ナイト・バチェラー」に叙されている。また、2002年には、エリザベス二世の在位50年祝賀行事としてバッキンガム宮殿の庭園で開催されたコンサート「プロム・アット・ザ・パレス」を指揮している。
写真:Dario Acosta
訃報 〓 アンドリュー・デイヴィス(80)英国の指揮者
2024/04/21
【最終更新日】2024/04/22
- コメント: 0
この記事へのコメントはありません。