訃報 〓 ジョージ・クラム(92)米国の作曲家

2022/02/10
【最終更新日】2023/02/06

米国の作曲家ジョージ・クラム(George Crumb)が2月6日、ペンシルバニア州メディアの自宅で亡くなった。92歳だった。死因は発表されていない。1960年から世界の前衛音楽の潮流を牽引、1967年に《時と河のこだま》でピューリッツァー賞を、2011年に《星の子供》でグラミー賞現代音楽最優秀作品賞を受賞している。

1929年、ウェストヴァージニア州のチャールストン生まれ。音楽一家で育ち、少年時代から作曲を始める。イリノイ大学で音楽を学んだ後、ベルリンに短期留学。帰庫してからミシガン大学で学び、1959年に博士号を取得した。

その後、作曲活動のかたわら、教壇に立って音楽教育に尽力、1958年にはコロラド大学でピアノと作曲の教授に就任、1965年からはペンシルヴァニア大学に転じ、30年近く教壇に立った。1983年にはアネンバーグ大学の人類学教授を務めている。

自然と音の交わり、音色を追求した作曲家として知られ、しゃべりながら管楽器を吹いたり、ピアノの内部の弦を弾いたりする特殊奏法を駆使して新しい音色を探求した。また、定形化された記譜法を使用せず、楽曲をコード化、視覚化した渦巻状や螺旋状の「図形楽譜」でも知られる。

代表作にデヴィッド・ボウイが最も好きなアルバムの一つとして挙げていた《ブラック・エンジェルズ》、バルトークの《ミクロコスモス》を見据えた4巻からなる大作のピアノ曲集《マクロコスモス》などがある。門下生からはオスバルド・ゴリホフなどがいる。

写真:Philadelphia Inquirer / Sarah Shatz





関連記事

  1. ベルリン発 〓 ティーレマンの音楽総監督就任コンサートで、バレンボイムに州立歌劇場名誉会員の称号

  2. ロンドン発 〓 BBC Promsは開催を5月末に判断

  3. カールスルーエ発 〓 バーデン州立劇場が音楽総監督のゲオルク・フリッチュとの契約を延長

  4. トリエステ発 〓 トリエステ歌劇場が2023/2024シーズンの公演ラインナップを発表

  5. ダラス発 〓 ダラス交響楽団が演奏会形式による“リング・チクルス”、オーケストラによる通し上演は全米初

  6. 訃報 〓 マイケル・トゥリー(84)米国のヴィオラ奏者

  7. ウィーン発 〓 国立歌劇場が新しいストリーミング・サービスを開始

  8. バイロイト発 〓 バイロイト音楽祭《ニュルンベルクのマイスタージンガー》の公演で、ボー・スコウフスが滑り込みで代役務めて公演救う

  9. モデナ発 〓 市立劇場が「パヴァロッティ & フレーニ劇場」に改名

  10. 訃報 〓 グラハム・クラーク(81)英国のテノール歌手

  11. ミュンヘン発 〓 バイエルン放送響が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

  12. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場は新型コロナウイルスのワクチン接種義務付け

  13. ニュルンベルク発 〓 ニュルンベルク響の次期首席指揮者にジョナサン・ダーリントン

  14. 訃報 〓 フリーデマン・レイヤー(78)オーストリアの指揮者

  15. ライプチヒ発 〓 ライプチヒ歌劇場が2022年にワーグナー音楽祭、13の歌劇と楽劇を集中上演

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。