ブリュッセル発 〓 モネ劇場の新しい《ニーベルングの指環》全4部作上演で演出家が交代、ロメオ・カステルッチからピエール・アウディへ

2024/04/21

モネ劇場(La Monnaie)が2023/2024シーズンから上演をスタートさせたワーグナー《ニーベルングの指環》全4部作上演で、演出を手掛けていたロメオ・カステルッチ(Romeo Castellucci)が降板することが発表された。後半の2作品はピエール・アウディ(Pierre Audi)が新演出を手掛けるという。

新しい《ニーベルングの指環》は2年がかりで4部作を上演しようと計画されたもの。カステルッチの新演出で、2023年10月に《ラインの黄金》、2024年1月に《ワルキューレ》と上演が進んできた。しかし、劇場側は、後半2作品についての彼の構想を実現するための「可能な時期と予算の枠内で見つけることはできないという結論に達した」。カステルッチは《ジークフリート》では、まだ未開拓の技術を駆使した長編映画の制作を希望。また、《神々の黄昏》では、オペラと演劇のダブル・プロジェクトにすることをめざしていた、という。

代役を務めるアウディは1957年、レバノンの首都ベイルート生まれの66歳。パリを経て英国のオックスフォード大学で学び、20代でロンドンのイズリントンにアルメイダ劇場を創設。その後、演出家として国際的な活動を続けてきた。1988年から2018年までオランダ国立オペラの芸術監督を務め、1998年から1999年にかけて《ニーベルングの指環》の演出を手掛けている。

写真:La Monnaie / Monika Rittershaus


関連記事

  1. シュトゥットガルト発 〓 ダン・エッティンガーがシュトゥットガルト・フィルの首席指揮者兼音楽総監督を退任

  2. ハーグ発 〓 レジデンティ管が次期首席指揮者に準・メルクル

  3. ウィーン発 〓 ポーランド出身のウツィア・マジアーがウィーン放送響のコンサートマスターに

  4. サリー発 〓 英国のグランジ・パーク・オペラが音楽祭の開催を断念、夏の音楽祭で初

  5. ウィーン発 〓 オーストリア政府がロックダウンを24日まで延長

  6. エバンストン発 〓 2021年の「ゲオルグ・ショルティ指揮者アワード」はジェンマ・ニューに

  7. ベルゲン発 〓 ベルゲン・フィルが6月の中国、韓国ツアーをキャンセル

  8. パリ発 〓 フランス文化省がパリ国立オペラに対する予算を600万ユーロ削減

  9. ストックホルム発 〓 2022年の「ポーラー音楽賞」にフランスの室内オーケストラ、アンサンブル・アンテルコンタンポラン

  10. バルセロナ発 〓 第67回「マリア・カナルス国際音楽コンクール」でカナダのイェーデン・イジク=ドズルコが優勝、亀井聖矢も3位に

  11. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立オペラの新制作《ピーター・グライムズ》、新型コロナで初日を3月6日に延期

  12. 松本発 〓 セイジ・オザワ松本フェスティバルが開催断念を発表

  13. ロンドン発 〓 指揮者のジャン・レイサム=ケーニックが児童に対する性犯罪の疑いで逮捕された

  14. 東京発 〓 読響のコンサートマスターに戸原直

  15. ベルリン発 〓 ウラディーミル・ユロフスキがベルリン放送交響楽団との契約を延長

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。