新制作の《パルジファル》で開幕したドイツのバイロイト音楽祭(Bayreuther Festspiele)が今後の計画を発表した。それによると、音楽祭が150周年を迎える2026年は、新制作の《ニーベルングの指環》が登場する他、《リエンチ》がバイロイトで初めて上演される。
それ以外の新制作は、2024年が《トリスタンとイゾルデ》、2025年が《ニュルンベルクのマイスタージンガー》。《トリスタンとイゾルデ》の新演出を手掛けるのは、アイスランド出身のトルレイフール・オーン・アルナルソンで、指揮はセミヨン・ビシュコフ。トリスタンにアンドレアス・シャーガー、イゾルデにはカミラ・ニールンドが起用される。
一方、2025年の《ニュルンベルクのマイスタージンガー》は、マティアス・ダヴィッツが新演出を手掛ける。指揮はダニエレ・ガッティで、ハンス・ザックスにゲオルク・ツェッペンフェルト、ワルターをマイケル・スパイレスが歌う。
今年2023年の音楽祭では、開幕の《パルジファル》をパブロ・エラス=カサドが、《タンホイザー》をナタリー・シュトゥッツマンが指揮して音楽祭にデビュー。上演2年目となる《指環》は、昨年予定されながらコロナ禍で降板したピエタリ・インキネンが指揮している。
ただ、今年も直前になっての歌手交代も多く、7月に入ってステファン・グールドが病気で急きょ降板。彼が受け持っていた《神々の黄昏》のジークフリートにアンドレアス・シャーガー、《トリスタンとイゾルデ》のトリスタンにクレイ・ヒレイ、《タンホイザー》のタンホイザーにクラウス・フロリアン・フォークトを急きょ起用することになった。
さらに直前になって《パルジファル》のタイトルロールを歌うはずだったヨーゼフ・カレヤが降板。その代役をシャーガーが務めることになり、彼が今年歌う予定だった《さまよえるオランダ人》のエリックを急きょ、トミスラフ・ムゼクが歌うことになった。
そうしたドタバタに加え、世界的なチケットの争奪戦が続いてきた音楽祭にとって今年は、史上初めて開幕時点で多くの公演のチケットが売れ残るという事態に。最も売れていないのが《指環》で、これまで通し券のみの販売だったが、今年はバラ売りに踏み切っている。来年2024年の《指環》の指揮はフィリップ・ジョルダンと発表された。
写真:Bayreuther Festspiele / Elisabeth von Pölnitz-Eisfeld
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バイロイト発 〓 バイロイト音楽祭が今後の計画を発表、音楽祭150周年の2026年から新しい《指環》
2023/07/29
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