イタリア・ナポリのサン・カルロ劇場の新しい総裁がイタリア放送協会(RAI)の最高経営責任者を5月に退任したカルロ・フォルテス(Carlo Fuortes)に決まった。総裁は2021年から、前のパリ国立オペラ総裁だったステファン・リスナーが務めていたが、メローニ政権が「オペラの支配人は70歳で引退」という方針を打ち出したことで6月に解任されていた。
カルロ・フォルテスはローマ生まれの64歳。2013年から2021年までローマ歌劇場の総裁を務め、指揮者のリッカルド・ムーティと仕事をした経験を持つ。サンジュリアーノ文化大臣がナポリ出身のムーティに「サン・カルロに戻って」とラブ・コールを送っていることから、イタリアのメディアには、ムーティ招聘への布石との観測が広がっている。
ムーティはこの28日に82歳になったばかり。2010/2011シーズンから音楽監督を務めてきた米国のシカゴ交響楽団との契約は2022/2023シーズンの終了をもって終了、現在は終身名誉音楽監督で、時間的には余裕がある。サン・カルロ劇場の音楽監督は新シーズン2023/2024シーズンから、ダン・エッティンガーがユライ・ヴァルチュハを後を受けて就任する。
写真:Teatro dell’Opera di Roma
ナポリ発 〓 サン・カルロ劇場に新総裁、ムーティ招聘への布石?
2023/07/29
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