ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のチェロ奏者を長く務めたルドルフ・ヴァインスハイマー(Rudolf Weinsheimer)4月11日、91歳で亡くなった。オーケストラには1956年から1996年まで40年在籍。室内アンサンブル「ベルリン・フィル12人のチェリストたち」の創設者として知られる。
1931年、ドイツのヴィースバーデンの生まれ。北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団のソロ・チェロ奏者を経て、1956年、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のチェロ奏者に就任。1978年から84年まで楽団員代表を務めた。
「ベルリン・フィル12人のチェリストたち」の創設は1972年。きっかけは、ヴァンスハイマーがたまたま大変珍しいチェロ12曲のための作品に出会ったこと。その曲をザルツブルクのモーツァルテウムでオーケストラのチェロ奏者全員で公開録音を行ったことが創設に繋がった。1974年に本格的なデビュー公演を行った。
夫人が日本人の血を引き、義父が独日協会の会長を務めていたことから、1966年のオーケストラの2度目の来日公演の際、早稲田大学の大隈講堂で演奏会を行ってから日本との縁は深く、早稲田大学交響楽団の名誉顧問を長く務め、海外公演の支援などを行っていた。
また、1998年に阪神大震災の、2015年には東日本大震災のチャリティー公演として、アマチュアとプロを交えた「1000人のチェロ・コンサート」を行っている。2015年に「日独間の音楽を通した交流及び相互理解の促進に寄与」したことで旭日小綬章を授与された。1997年にドイツ連邦政府より功労十字小綬章を贈られている。
写真:Rudolf Weinsheimer
訃報 〓 ルドルフ・ヴァインスハイマー(91)ドイツのチェロ奏者、「ベルリン・フィル12人のチェリストたち」の創設者
2023/05/10
- コメント: 0
この記事へのコメントはありません。