訃報 〓 エライジャ・モシンスキー, オーストラリアの演出家

2021/01/17

オーストラリア生まれで英国を拠点に活躍した演出家のエライジャ・モシンスキー(Elijah Moshinsky)が新型コロナウイルスに感染、14日に亡くなった。モシンスキーはルース夫人、2人の息子とロンドン南部ブラックヒースに住んでいた。8日に75歳の誕生日を迎えたところだった。

モシンスキーは混乱するロシア・ウラジオストクから上海のフランス租界に逃れたロシア系ユダヤ人が両親。5歳の時に家族でメルボルンに移住、長じてメルボルン大学で学んだ。卒業後、オックスフォード大学のセント・アントニーズ・カレッジに進み、そこでロシアの作家アレクサンドル・ゲルツェンの研究を手掛けた。

その一方、演劇の世界に没頭。オックスフォード大学とケンブリッジ大学のシェイクスピア・カンパニーの舞台「お気に召すまま」の演出を手掛け、その舞台をみた当時のロイヤル・オペラの総監督ジョン・トゥーリーの目に留まり、劇場の演出チームの一員に迎えられた。

演出家デビューは1975年。ロイヤル・オペラでブリテンの《ピーター・グライムズ》を手掛け、簡素化された演出で大成功を収め、その後、ロイヤル・オペラを中心にさまざまな演出を手掛けて名声を確立。1982年にはイングリッシュ・ナショナル・オペラで、リゲティ《ル・グラン・マカーブル》の英国初演を手掛けている。

その後、ミラノ・スカラ座やウィーン国立歌劇場、米国のメトロポリタン歌劇場からオーストラリアまで世界中の著名な歌劇場で演出を手掛け、その多くが現在も上演されている。ロイヤル・ナショナル・シアターの舞台の演出も多く、テレビ映画も手掛けている。

写真:BBC


    もっと詳しく ▷


関連記事

  1. 別府発 〓 第22回のアルゲリッチ音楽祭は来年にそのまま延期

  2. バーデン=バーデン発 〓 来年の復活祭音楽祭のオペラはチャイコフスキー《マゼッパ》

  3. ボストン発 〓 ボストン響も2020/2021シーズンのキャンセルを発表

  4. ウィーン発 〓 国立歌劇場も3月いっぱい閉鎖

  5. 東京発 〓 第3弾のラインナップを発表、新国立劇場の「巣ごもりシアター」

  6. 東京発 〓 新国立劇場の無料ストリーミング「巣ごもりシアター」が第2弾のラインナップを発表

  7. ライプツィヒ発 〓 ライプツィヒ市が次の「トーマスカントル」を募集

  8. ザルツブルク発 〓 聖霊降臨祭音楽祭が開催中止を発表

  9. ウィーン発 〓 国立歌劇場、2月第2週のストリーミング配信のラインナップを発表、あの《フィガロの結婚》も

  10. ナッシュビル発 〓 ナッシュビル響が来シーズンをキャンセル

  11. ドレスデン発 〓 ザクセン州立歌劇場が2020/2021シーズンの公演をキャンセル

  12. ローマ発 〓 カウフマンが新たに《オテロ》を録音

  13. バーミンガム発 〓 ミルガ・グラジニーテ=ティーラが新型コロナウイルス検査で陽性反応

  14. パリ発 〓 コミック座が2021年の公演ラインナップを発表

  15. マチェラータ発 〓 スフェリステリオ音楽祭が開催決定

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。