グラインドボーン音楽祭(Glyndebourne Festival Opera)が2023年の国内ツアーを取り止めると発表した。英国の文化予算配分を行っているアーツ・カウンシル・イングランドからのツアーに対する助成金が大幅に削減されたことを受けて。
ツアーは1968年から、アーツ・カウンシルの支援を受け、音楽祭閉幕後の秋にリバプール、カンタベリー、ノリッジ、ミルトン・キーンズなどイングランド東部を巡回しているもの。幅広い聴衆にオペラの面白さを伝える一方、ツアーに若手演奏会を起用することで新しい才能に門戸を開くために行われており、ツアーを足場に檜舞台に上がった歌手も多い。
しかし、この数年は、助成金だけでツアーを行えず、公的な助成金を受け取っていない音楽祭本体の利益で赤字を埋めているのが実状。今回の文化予算削減で、ツアー向けに配分される助成金は前年の半分の80万ポンド(約1億3,000万)に激減した。
音楽祭では、ツアーの中止により、巡回先の地域の人々が一緒に音楽を作るという機会が奪われ、介護施設でのワークショップや大学での室内楽のリサイタルを中止することになると指摘。「この秋は、このようなオペラ体験をイギリス全土に広く提供することができなくなった」と述べている。
写真:Glyndebourne Festival Opera
グラインドボーン発 〓 音楽祭が2023年の国内ツアーをキャンセル
2023/01/08
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