指揮者のダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim)が6日、ベルリン州立オペラ(Staatsoper Unter den Linden)の音楽監督退任を発表した。バレンボイムは1992年からその任にあり、ドイツ統一後のベルリン州立オペラを牽引してきた。2023年1月31日をもって退任するという。後任は発表されていない。
バレンボイムは昨年11月15日で80歳。2月の脊椎手術の後、神経系の重い病気と診断され、80歳の記念にベルリン州立オペラが新制作した10月の《ニーベルングの指環》の指揮をはじめ、ベルリン・シュターツカペレの11月のアジア・ツアー、誕生日に予定されていた記念コンサートも中止された。
この大晦日と元旦は久しぶりにベートーヴェンの《第九》を指揮した他、6日、7日、8日のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮台に立ち、健在ぶりをアピール。しかし、その後は、また療養生活に戻ることになっており、1月後半にザルツブルクで行われる音楽祭「モーツァルト週間」への出演をキャンセルしている。
退任に当たって「残念ながら、私の健康状態はこの1年で著しく悪化しました。音楽監督に当然求められるパフォーマンスを発揮することができなくなった。従って、2023年1月31日をもって、この活動に終止符を打つことをご理解いただきたい」という声明を発表している。
写真:Staatskapelle Berlin / Monika Rittershaus
ベルリン発 〓 バレンボイムがベルリン州立オペラの音楽監督を退任
2023/01/06
- コメント: 0
この記事へのコメントはありません。