テノール歌手ヴィットリオ・グリゴーロ(Vittorio Grigolo)がロイヤル・オペラ・ハウス(Royal Opera House)日本公演で、最終日の出演をキャンセルした本当の理由は、日本公演中のセクシャル・ハラスメント行為にあったと欧米のメディアが報じている。グリゴーロは今回、日本公演の《ファウスト》に出演。12日、15日、18日に東京文化会館で行われた公演には出演していたが、最終公演22日の神奈川県民ホールの公演は体調不良を理由に降板した。
欧米での報道によると、グリゴーロによるセクハラ行為が行われたのは、それに先立つ、18日の公演時。コーラスの女性メンバーの身体をまさぐったとされ、ステージ上にいた他の出演者からその行為に対して公演中に抗議も受けたとされる。被害者からの訴えを受けて、ロイヤル・オペラ・ハウスはその後の横浜公演への出演を禁止し、急きょゲオルギー・ヴァシリエフを日本に呼んで代役に立てたという。
ロイヤル・オペラ・ハウスは日本公演終了後、声明を発表。その行為に対する調査委員会を既に起ち上げており、調査結果が出るまでは予定されている彼の出演をすべて取り消すことを決めていること明らかにした。また、ロイヤル・オペラ・ハウスの決定を受け、26日になってニューヨークのメトロポリタン歌劇場も、調査結果が出るまで彼の出演を見合わせるとする声明を出した。グリゴーロはこの後、10月1日からミラノ・スカラ座の《愛の妙薬》、22日からはウィーン国立歌劇場の《ウエルテル》への出演が予定されている。
写真:Royal Opera House / Rii Schroer
ロンドン発 〓 ヴィットリオ・グリゴーロ降板の裏にセクハラ

2019/09/27
【最終更新日】2019/10/17
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