訃報 〓 エフゲニー・ネステレンコ(83)ロシアのバス歌手

2021/03/21
【最終更新日】2023/02/06

ロシアのバス歌手エフゲニー・ネステレンコ(Evgeny Nesterenko)が新型コロナウイルスに感染したことで3月20日にウィーンで亡くなった。83歳だった。1970年の第4回チャイコフスキー国際コンクールで優勝、旧ソ連を代表する歌手として世界的な活躍を続けた。

モスクワ生まれで、レニングラード(現在のサンクト・ペテルブルク)建築土木大学を卒業したが、周囲に勧められてレニングラード音楽院に改めて入学した。1965年にマールイ劇場(現在のミハイロフスキー劇場)でデビュー、その後、キーロフ劇場(現在のマリインスキー劇場)の歌手となった。

チャイコフスキー国際コンクール優勝後、1971年にモスクワのボリショイ劇場に移り、その後、1973年にはミラノ・スカラ座、1974年にはウィーン国立歌劇場と、海外の歌劇場に次々にデビューした。

ロシア物を中心に多彩なレパートリーを誇り、80以上の役柄を歌っている。中でも、ムソルグスキー《ボリス・ゴドノフ》の皇帝ボリス役は他の追随を許さず、1981年にはその歌唱でイタリアの「ゴールデン・ヴィオッティ」メダルを獲得するなど、欧州各国で授賞多数。

録音にも積極的で、20のオペラ作品の録音に参加、70近いアルバムがリリースされている。また、モスクワやウィーンで教鞭を執り、声楽についての著作も2冊ある。国際的な音楽コンクールにも審査員として数多く参加している。旧ソ連時代にレーニン勲章、「人民芸術家」の称号を受けている。

写真:Bolshoi Theater


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