国立のオペラ・カンパニー「オペラ・オーストラリア」の首席ソプラノとして多彩な活動を続けたソプラノ歌手のタリン・フィービッグ(Taryn Fiebig)が3月20日、シドニー近郊のエリザベスベイの自宅で亡くなった。49歳だった。2017年に卵巣癌と診断されたが、2018年に舞台に戻り、治療を続けながら歌手活動を続けていた。
1972年、パースの生まれ。西オーストラリア大学でチェロを学び、その後、声楽の道に転身、2004年にヤング・アーティスト・プログラムに参加して「オペラ・オーストラリア」に加わった。クリアでしなやかな声を持ち、活気に満ちた存在感、優雅で知的な演技スキルで、主要なオペラの役割からフランスのバロック物、ミュージカルやケルト民謡まで、幅広いレパートリーで活躍した。
2010年にフリーランスとなり、2015年にはバッキンガム宮殿でチャールズ皇太子の前で御前演奏。チェロを交えた演奏に皇太子が涙を流したと話題を集めた。オーストラリア国内の優れたライブ・パフォーマンスに送られる「ヘルプマン・アワード」を、2010年にブレット・ディーンのオペラ《ブリス》、2019年にブライアン・ハワードのオペラ《変容》での歌唱で授賞している。
写真:ABC
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