訃報 〓 エフゲニー・ネステレンコ, ロシアのバス歌手

2021/03/21

ロシアのバス歌手エフゲニー・ネステレンコ(Evgeny Nesterenko)が新型コロナウイルスに感染したことで3月20日にウィーンで亡くなった。83歳だった。1970年の第4回チャイコフスキー国際コンクールで優勝、旧ソ連を代表する歌手として世界的な活躍を続けた。

モスクワ生まれで、レニングラード(現在のサンクト・ペテルブルク)建築土木大学を卒業したが、周囲に勧められてレニングラード音楽院に改めて入学した。1965年にマールイ劇場(現在のミハイロフスキー劇場)でデビュー、その後、キーロフ劇場(現在のマリインスキー劇場)の歌手となった。

チャイコフスキー国際コンクール優勝後、1971年にモスクワのボリショイ劇場に移り、その後、1973年にはミラノ・スカラ座、1974年にはウィーン国立歌劇場と、海外の歌劇場に次々にデビューした。

ロシア物を中心に多彩なレパートリーを誇り、80以上の役柄を歌っている。中でも、ムソルグスキー《ボリス・ゴドノフ》の皇帝ボリス役は他の追随を許さず、1981年にはその歌唱でイタリアの「ゴールデン・ヴィオッティ」メダルを獲得するなど、欧州各国で授賞多数。

録音にも積極的で、20のオペラ作品の録音に参加、70近いアルバムがリリースされている。また、モスクワやウィーンで教鞭を執り、声楽についての著作も2冊ある。国際的な音楽コンクールにも審査員として数多く参加している。旧ソ連時代にレーニン勲章、「人民芸術家」の称号を受けている。

写真:Bolshoi Theater


関連記事

  1. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルが5月1日に恒例の「ヨーロッパ・コンサート」

  2. ミュンヘン発 〓 バイエルン州立歌劇場がシーズン閉幕を宣言、夏のミュンヘン・オペラ・フェスティバルも中止

  3. ドレスデン発 〓 名指揮者ケンペの遺品が古巣のザクセン州立歌劇場へ

  4. ブリスベン発 〓 クイーンズランド交響楽団の次期首席指揮者にヨハネス・フリッチュ

  5. トリノ発 〓 RAI国立交響楽団の首席客演指揮者にロバート・トレヴィーノ

  6. ローマ発 〓 パッパーノの後任にガッティが急浮上、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団

  7. ウィーン発 〓 シェーンブルン宮殿のサマー・ナイト・コンサートを9月に延期、ウィーン・フィル

  8. パリ発 〓 フランスの夏の音楽祭も相次いで中止を発表

  9. ウィーン発 〓 作曲家のオルガ・ノイヴィルトにオーストリア政府が科学・芸術名誉十字章

  10. フィレンツェ発 〓 フィレンツェ歌劇場の《リゴレット》でレオ・ヌッチが降板、代役にルカ・サルシ

  11. ブラティスラバ発 〓 スロヴァキア放送響激震、レナルトが復帰

  12. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場が“Nightly Met Opera Streams”の第9週のラインナップ発表

  13. 訃報 〓 エツィオ・ボッソ, イタリアのピアニスト・作曲家・指揮者

  14. ザルツブルグ復活祭音楽祭 〓 2023年から毎年違う指揮者とオーケストラで

  15. ケルン発 〓 ケント・ナガノがコンチェルト・ケルンと《リング》四部作上演に挑戦

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。