ウィーン発 〓 国立歌劇場のマイヤー総裁が「ドミンゴとの契約を履行」

2019/08/31
【最終更新日】2019/10/17

世界的オペラ歌手プラシド・ドミンゴ(Plácido Domingo)にセクシャル・ハラスメント疑惑が浮上していることについて、ウィーン国立歌劇場(Vienna State Opera)のドミニク・マイヤー(Dominique Meyer)総裁がオーストリア通信(APA)の取材に答え、この10月と来年6月の出演に変更がないことを明らかにした。ドミンゴは10月に《マクベス》に出演、6月には《ナブッコ》に出演した後、《椿姫》を指揮することになっている。

今回の疑惑は、13日に米国のAP通信が過去の被害を訴える9人の女性の告白記事を配信して表面化。ドミンゴが2003年から総監督を務めるロサンゼルス・オペラが第三者委員会による調査に乗り出した他、フィラデルフィア管弦楽団とサンフランシスコ・オペラが公演をキャンセル。一方で、ザルツブルク音楽祭などはスケジュールを変更せず、音楽界の対応が分かれている。

取材にマイヤー総裁は「報道でこれらの疑惑を知った時、私は非常に心配しましたが、私は詳細を判断する立場になく、同時にそれらを軽視したくありませんでした。私はドミンゴを事前審査することはしません。オーストリアは法の支配の下にあります。これまでに提示された事実は、以下の通りです」として、彼に対して警察の捜査が行われていない、ロサンゼルス・オペラが調査を開始した、無罪の推定が適用される、私たちに対する同種の申し立てがないことを知っている、と指摘。ドミンゴとの既存の契約を履行しない法的に正当な理由がないとしている。

Salzburger Festspiele / Marco Borrelli


関連記事

  1. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場の新しい《指環》に暗雲、共同制作のイングリッシュ・ナショナル・オペラへの助成削減で

  2. ローマ発 〓 ローマ歌劇場がストリーミング配信のラインナップを発表

  3. コペンハーゲン発 〓 クリストフ・エッシェンバッハがコペンハーゲン・フィルの名誉客演指揮者に

  4. ヘルシンキ発 〓 フィンランド国立オペラが新制作の《トゥーランドット》のストリーミング配信を開始

  5. 大津発 〓 びわ湖ホールが2019年度のラインナップを発表

  6. ウェリントン発 〓 ニュージーランド響の次期首席指揮者にジェンマ・ニュー

  7. グラフェネック発 〓 音楽祭開幕コンサートの指揮台に佐渡裕、幕開けは細川俊夫の新作ファンファーレ、ヴェルディのレクイエムは急きょ“合唱なし”

  8. 東京発 〓 N響の第1コンサートマスターに長原幸太

  9. 東京発 〓 第34回「高松宮殿下記念世界文化賞」の音楽部門に米国のトランペッター、ウィントン・マルサリス

  10. サモーラ発 〓 サモーラ歌劇祭が近隣の相次ぐ森林火災でオペラ上演を来年に延期

  11. ニュルンベルク発 〓 州立劇場の次期音楽総監督にローランド・ベーア、ヨアナ・マルヴィッツの後任

  12. フィラデルフィア発 〓 フィラデルフィア管弦楽団が2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表、トゥガン・ソヒエフも客演

  13. リバプール発 〓 ロイヤル・リバプール・フィルが首席指揮者のドミンゴ・インドヤンとの契約を延長

  14. 上海発 〓 第3回「上海アイザック・スターン国際ヴァイオリン・コンクール」の本選はオンライン審査へ

  15. アムステルダム発 〓 オランダ国立オペラが2020/2021シーズンのキャンセルを発表

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。