カウンターテナー歌手の先駆者として活躍してきたドイツのヨッヘン・コヴァルスキ(Jochen Kowalski)が5日、ベルリン州立オペラのモンテヴェルディ《ポッペアの戴冠》に出演、それを最後にオペラの舞台から引退した。
コヴァルスキは1954年、旧東ドイツ・ヴァホウ生まれの68歳。ベルリン国立歌劇場の小道具係を5年間務めた後、テノール歌手をめざしてベルリン音楽大学で学び、続いてハンス・アイスラー音楽大学でマリアンネ・フィッシャー=クプファーに師事した。
その過程で師の夫でコーミッシェ・オーパーを率いていた演出家のハリー・クプファーに認められ、卒業後の1983年にベルリン・コーミッシェ・オーパーの歌手陣に加わった。1984年にヘンデルの《ジュスティーノ》に出演して注目され、1987年のグルック《オルフェオとエウリディーチェ》でも成功を収めた。
その後、ドイツ統一で国際的な活躍が始まり、1991年にはウィーン国立歌劇場、ロイヤル・オペラ・ハウス、1994年にメトロポリタン歌劇場に相次いでデビュー。その年、「宮廷歌手」の称号を授与されている。1995年にはザルツブルク音楽祭にも出演、カウンターテナーの第一人者として活躍を続けてきた。
写真:Staatsoper Unter den Linden
ベルリン発 〓 カウンターテナーのヨッヘン・コヴァルスキが引退
2022/12/06
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