ベルリン発 〓 カウンターテナーのヨッヘン・コヴァルスキが引退

2022/12/06

カウンターテナー歌手の先駆者として活躍してきたドイツのヨッヘン・コヴァルスキ(Jochen Kowalski)が5日、ベルリン州立オペラのモンテヴェルディ《ポッペアの戴冠》に出演、それを最後にオペラの舞台から引退した。

コヴァルスキは1954年、旧東ドイツ・ヴァホウ生まれの68歳。ベルリン国立歌劇場の小道具係を5年間務めた後、テノール歌手をめざしてベルリン音楽大学で学び、続いてハンス・アイスラー音楽大学でマリアンネ・フィッシャー=クプファーに師事した。

その過程で師の夫でコーミッシェ・オーパーを率いていた演出家のハリー・クプファーに認められ、卒業後の1983年にベルリン・コーミッシェ・オーパーの歌手陣に加わった。1984年にヘンデルの《ジュスティーノ》に出演して注目され、1987年のグルック《オルフェオとエウリディーチェ》でも成功を収めた。

その後、ドイツ統一で国際的な活躍が始まり、1991年にはウィーン国立歌劇場、ロイヤル・オペラ・ハウス、1994年にメトロポリタン歌劇場に相次いでデビュー。その年、「宮廷歌手」の称号を授与されている。1995年にはザルツブルク音楽祭にも出演、カウンターテナーの第一人者として活躍を続けてきた。

写真:Staatsoper Unter den Linden


関連記事

  1. 訃報 〓 グウェンドリン・キルブリュー(80)アメリカのメゾ・ソプラノ歌手

  2. ドレスデン発 〓 ドレスデン音楽祭が2022年の公演ラインナップを発表

  3. ローザンヌ発 〓 スカラ座総裁を退任するドミニク・マイヤーがローザンヌ室内管の総監督に

  4. ドレスデン発 〓 ザクセン州立歌劇場が2020/2021シーズンの公演をキャンセル

  5. ライプチヒ発 〓 ブロムシュテットがゲヴァントハウス管とシューベルト、ベルワルドの交響曲全集

  6. ヘルシンキ発 〓 スザンナ・マルッキがヘルシンキ・フィルの首席指揮者退任へ

  7. ウィーン発 〓 クラウス・マケラがウィーン・フィルにデビュー

  8. 訃報 〓 ペーター・シュライアー(84)ドイツのテノール歌手

  9. エルサレム発 〓 ジュリアン・ラクリンがエルサレム響の次期首席指揮者に

  10. リヨン発 〓 ニコライ・シェプス=ズナイダーが音楽監督を務めるリヨン国立管との契約を延長

  11. 訃報 〓 アレクサンダー・トラーゼ(69)ジョージア出身のピアニスト

  12. ロンドン発 〓 イングリッシュ・ナショナル・オペラが5年かけ、新しい《ニーベルングの指環》

  13. 訃報 〓 ラドミル・エリシュカ(88)チェコの指揮者

  14. ミュンヘン発 〓 作曲家ワーグナーの曾孫、エヴァ・ワグナー・パスキエが退院

  15. マルセイユ発 〓 市立歌劇場が新制作の《トスカ》をストリーミング配信

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。