ロンドン発 〓 ピアノのマレイ・ペライアが復帰、旧知のアカデミー室内管と共演

2024/04/02

手の故障のため、6年間もステージから遠ざかってきたピアノのマレイ・ペライア(Murray Perahia)が復帰が明らかになった。復帰の舞台はロンドンのウィグモア・ホールで、長く首席客演指揮者を務めてきたアカデミー室内管弦楽団の創設者ネヴィル・マリナーの生誕100周年を祝うシリーズに出演するという。

出演するのは4月16日で、音楽監督のジョシュア・ベル率いる室内管との共演で、室内管が作曲を委嘱したサリー・ビーミッシュの弦楽八重奏のためのパルティータ、メンデルスゾーンの八重奏曲変ホ長調、ペレイラがピアノを担当するシューマンのピアノ五重奏曲というプログラム。

ペライアはニューヨーク・ブロンクス生まれの74歳。ギリシャ系のユダヤ人で、父親の代にアメリカへ移住した。地元のマネス音楽大学で学びながら、マールボロ音楽祭などに参加。ルドルフ・ゼルキン、ミエチスラフ・ホルショフスキの薫陶を受けた。

1972年のリーズ国際ピアノ・コンクールでアメリカ人初の優勝を飾り、1980年代にはウラジミール・ホロヴィッツの薫陶も受けるようになり、亡くなる前の晩に彼を訪れ、最後のピアノを聴いている。

1990年、右の親指を切ったことがきっかけで、手と骨に異常が発じたことから、以後は活動休止と現場復帰の繰り返しが続いてきた。ロンドン在住で、2004年には大英帝国勲章のナイト・コマンダー(KBE)に叙せられている。

写真:Harald Hoffmann / Deutsche Grammophon


  もっと詳しく ▷


関連記事

  1. ロンドン発 〓 ヤクブ・フルシャ、ロイヤル・オペラ・ハウスの音楽監督に

  2. 東京発 〓 NHK交響楽団が特別コンサートマスターの篠崎史紀の退団を発表

  3. シカゴ発 〓 音楽監督の報酬、全米一位はシカゴ交響楽団のムーティ

  4. ピッツバーグ発 〓 マンフレート・ホーネックがピッツバーグ響との契約を延長

  5. ミュンヘン発 〓 バイエルン放送響が2020/2021シーズンの公演ラインナップを発表

  6. プラハ発 〓 プラハ交響楽団の次期首席指揮者にトマーシュ・ネトピル

  7. ベルリン発 〓 州立オペラが2025/2026シーズンの公演ラインナップを発表

  8. ロンドン発 〓 「オペラ・アワード2020」、ノミネート作品を発表

  9. ブリュセル発 〓 ベルギー国立管のコンサートマスターに赤間美沙子

  10. ロンドン発 〓 ルプーが引退へ

  11. ライプツィヒ発 〓 18代目の「トーマスカントル」にアンドレアス・ライズが就任

  12. ドレスデン発 〓 ザクセン州政府がティーレマンと契約延長せず、シュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者は2024年まで

  13. ワルシャワ発 〓 オペラ賞「オペラ・アワード2023」の年間賞が決定

  14. ロンドン発 〓 イングリッシュ・ナショナル・オペラが新シーズン、2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

  15. シカゴ発 〓 トランペットのエステバン・バタランがフィラデルフィア管弦楽団を退団、1年経たずに古巣のシカゴ響に復帰

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。