手の故障のため、6年間もステージから遠ざかってきたピアノのマレイ・ペライア(Murray Perahia)が復帰が明らかになった。復帰の舞台はロンドンのウィグモア・ホールで、長く首席客演指揮者を務めてきたアカデミー室内管弦楽団の創設者ネヴィル・マリナーの生誕100周年を祝うシリーズに出演するという。
出演するのは4月16日で、音楽監督のジョシュア・ベル率いる室内管との共演で、室内管が作曲を委嘱したサリー・ビーミッシュの弦楽八重奏のためのパルティータ、メンデルスゾーンの八重奏曲変ホ長調、ペレイラがピアノを担当するシューマンのピアノ五重奏曲というプログラム。
ペライアはニューヨーク・ブロンクス生まれの74歳。ギリシャ系のユダヤ人で、父親の代にアメリカへ移住した。地元のマネス音楽大学で学びながら、マールボロ音楽祭などに参加。ルドルフ・ゼルキン、ミエチスラフ・ホルショフスキの薫陶を受けた。
1972年のリーズ国際ピアノ・コンクールでアメリカ人初の優勝を飾り、1980年代にはウラジミール・ホロヴィッツの薫陶も受けるようになり、亡くなる前の晩に彼を訪れ、最後のピアノを聴いている。
1990年、右の親指を切ったことがきっかけで、手と骨に異常が発じたことから、以後は活動休止と現場復帰の繰り返しが続いてきた。ロンドン在住で、2004年には大英帝国勲章のナイト・コマンダー(KBE)に叙せられている。
写真:Harald Hoffmann / Deutsche Grammophon
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ロンドン発 〓 ピアノのマレイ・ペライアが復帰、旧知のアカデミー室内管と共演
2024/04/02
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