ロンドン発 〓 指揮者のジャン・レイサム=ケーニックに14カ月の実刑判決、児童と性的コミュニケーションを取ろうとした3つの罪状で

2024/06/17

ロンドンのサザーク裁判所がこのほど、英国の指揮者ジャン・レイサム=ケーニック(Jan Latham-Koenig)に対して、児童と性的コミュニケーションを取ろうとした3つの罪状を認定、14カ月の実刑判決(執行猶予2年)を言い渡した。出会い系アプリを使って14歳と思われる人物と接触したが、実際は覆面警察官を相手にしたやり取りで、この1月にヴィクトリア駅で逮捕されていた。

レイサム=ケーニックは1953年生まれの70歳。ロンドンの王立音楽院で指揮を学び、その後、フランス・ストラスブールを拠点とするラン国立オペラの総監督(1997-2002)、チリのサンティアゴ市立劇場の音楽監督(2007-2010)、ベルギーのフランダース交響楽団の芸術監督(2013-2019)を歴任している。

また、2011年からモスクワのノーヴァヤ・オペラの首席指揮者を務め、2014年にはワーグナー《トリスタンとイゾルデ》の演奏でロシア芸術界最大の栄誉とされる「ゴールデン・マスク」賞を受賞。2020年には音楽と英国とロシアの文化関係への貢献に対して大英帝国勲章オフィサー章(OBE)が授与されている。

また、2022年には南米最高峰の歌劇場として知られるアルゼンチン・ブエノスアイレスのテアトロ・コロンの音楽監督という要職に就任。ロシアのウクライナ侵攻時、西側のアーティストの多くがロシアでの活動を停止させたが、レイサム=ケーニックは指揮活動を続けており、社会的に注目を集めていた。

写真:Teatro Colón


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