ポーランドのバリトン歌手マルツィン・ボロニコウスキ(Marcin Bronikowski)が2月29日、アルバニア旅行中に亡くなった。55歳だった。死因は発表されていない。ポーランドを代表するオペラ歌手の一人で、東欧、西欧の歌劇場、音楽祭のほとんどに出演している。
ワルシャワ生まれで、シマノフスキ音楽大学でトランペットを学んだ後、ソフィア音楽院で声楽を学んだ。その後、イタリア・ペーザロのアカデミア・ロッシニアーナでアルベルト・ゼッダに、ミラノ・スカラ座でカルロ・ベルゴンツィに師事。国際的なコンクールでの受賞も数多い。
オペラ・デビューは1992年で、ブルガリア国立オペラ・バレエのロッシーニ《セビリアの理髪師》でフィガロを歌った。レパートリーは40を超え、オラトリオを中心にコンサートにも頻繁に出演。1996年にはユニセフ(国際連合児童基金)の50周年を記念するワルシャワのコンサートでホセ・カレーラスとも共演している。
また、母国語以外に英語、イタリア語、スペイン語、フランス語、ブルガリア語、ロシア語に堪能で、国際的なコンクールの審査員も務め、録音多数。ドニゼッティの《世襲貴族》や《マリア・ストゥアルダ》、ドヴォルザークの《ジャコバン党員》、マイヤベーアの《ユグノー教徒》といった録音機会の少ない作品への参加も多い。
写真:Marcin Bronikowski
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