ワルシャワ発 〓 第18回「ショパン国際ピアノ・コンクール」でカナダのブルース・リウが優勝。日本勢は2位に反田恭平、小林愛実が4位に入賞

2021/10/21

ポーランドの首都ワルシャワで10月3日から行われていた第18回「ショパン国際ピアノ・コンクール」が終了、カナダのブルース・リウ(Bruce Liu=劉暁禹)が優勝した。日本勢は反田恭平がアレクサンダー・ガジェヴと2位を分け合い、前回2015年に続いての本選進出となった小林愛実が4位をヤクブ・クシュリクと分け合った。反田の2位は1970年の内田光子と並び、日本人ピアニストとしては過去最高位。入賞者は以下の通り。

 第1位:ブルース・リウ=劉暁禹(24歳)カナダ
 第2位:反田恭平(27歳)日本
     アレクサンダー・ガジェヴ(26歳)イタリア/スロヴェニア
 第3位:マルティン・ガルシア・ガルシア(24歳)スペイン
 第4位:小林愛実(26歳)日本
     ヤクブ・クシュリク(24歳)ポーランド
 第5位:レオノーラ・アルメリーニ(29歳)イタリア
 第6位:ジェイ・ジェイ・ジュン・リ・ブイ=白立君(17歳)カナダ

 ポーランド・ラジオ放送局賞(マズルカ最優秀演奏賞):ヤクブ・クシュリク
 国立フィルハーモニー賞(協奏曲最優秀演奏賞):マルティン・ガルシア・ガルシア
 クリスチャン・ツィメルマン賞(ソナタ最優秀演奏賞):アレクサンデル・ガジェヴ

コンクールは1927年の創設で、5年に一度の開催。若手ピアニストの登竜門として知られ、マウリツィオ・ポリーニやマルタ・アルゲリッチはじめ、数多くのピアニストを世に送り出し、世界三大コンクールの一つとされる。本来は2000年開催の予定だったが、新型コロナウイルスの世界的流行のため、開催が1年延期された。

本選は18日から20日にかけ12人で行われ、それぞれがアンドレイ・ボレイコ指揮のワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団と共演して、ショパンのピアノ協奏曲第1番、第2番のどちらかを弾いた。

リウはパリの生まれ。モントリオール音楽院で学び、2016年の第6回「仙台国際音楽コンクール」ピアノ部門で第4位に入賞している他、モントリオール、ルービンシュタインといった国际コンクールでも上位に入賞、現在は今回の審査員を務めたダン・タイ・ソンに師事している。

反田は東京都出身の27歳。高校在学中に第81回「日本音楽コンクール」で第1位、2014年からモスクワ音楽院に学んだ。デビュー後は、自身がプロデュースするカルテットや管弦楽団の創設、新レーベル「NOVA Record」の設立といった斬新な活動で話題を集めてきた。2017年からはワルシャワのショパン国立音楽大学の研究科に在籍して、今回の審査員を務めたピオトル・パレチニ教授に師事している。

小林は山口県宇部市出身の26歳。3歳からピアノを始め、二宮裕子に師事。9歳で国際デビューを果し、桐朋学園大学付属高校から米国のフィラデルフィア・カーティス音楽院に留学。現在、マンチェ・リュウ教授の下で研鑽を積み、国際的な活動を展開中。

入賞者のうち、リウ、ガルシア・ガルシア、アルメリーニがイタリアのファツィオリ製のピアノを選び、反田、小林、クシュリクのスタインウェイ製と肩を並べる大躍進。ガジェヴ、ジュン・リ・ブイはカワイ製。ヤマハ製は前々回優勝のユリアンナ・アヴデーエワ、前回2位のシャルル・リシャール=アムランが使用したが、今回の本選出場者12人で選んだ奏者がいなかった。

写真:Narodowy Instytut Fryderyka Chopina


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