ロンドン発 〓 指揮者のジャン・レイサム=ケーニックが児童に対する性犯罪の疑いで逮捕された

2024/01/12

英国の指揮者ジャン・レイサム=ケーニック(Jan Latham-Koenig)が児童に対する性犯罪の疑いで、ロンドンのヴィクトリア駅で警察当局に逮捕されていたことが12日明らかになった。10日に逮捕され、性犯罪についての手配と助長、性行為をするため16歳未満の少年とコミュニケーションを取った疑いが持たれている。

レイサム=ケーニックは1953年生まれの70歳。ロンドンの王立音楽院で指揮を学び、ピアニストとしてキャリアをスタートさせ、その後、指揮者に転身した。その後、フランス・ストラスブールを拠点とするラン国立オペラの総監督(1997-2002)、チリのサンティアゴ市立劇場の音楽監督(2007-2010)、ベルギーのフランダース交響楽団の芸術監督(2013-2019)を歴任している。

また、2011年からモスクワのノーヴァヤ・オペラの首席指揮者を務め、2014年にはワーグナー《トリスタンとイゾルデ》の演奏でロシア芸術界最大の栄誉とされる「ゴールデン・マスク」賞を受賞。2020年には音楽と英国とロシアの文化関係への貢献に対して大英帝国勲章オフィサー章(OBE)が授与されている。

また、2022年には南米最高峰の歌劇場として知られるアルゼンチン・ブエノスアイレスのテアトロ・コロンの音楽監督という要職に就任。ロシアのウクライナ侵攻時、西側のアーティストの多くがロシアでの活動を停止させたが、レイサム=ケーニックは指揮活動を続けており、社会的に注目を集めていた。

写真:Ikon Artists


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