英国を拠点にした音楽サイト「Bachtrack」が恒例の年度ランキングを発表した。それによると、2018年の「最も忙しい指揮者」の第1位には、“世界で最も多忙な指揮者”と自他共に認めるワレリー・ゲルギエフを抑え、アンドリス・ネルソンスが輝いた。121公演を指揮している。ネルソンスはラトビア出身の40歳。目下、ボストン交響楽団の音楽監督、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席指揮者を兼任、来年のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の「ニューイヤー・コンサート」の指揮者にも選ばれている。
第2位はゲルギエフで93公演。3位以下は、91公演のパーヴォ・ヤルヴィ、85公演のヤニック・ネゼ=セガン、83公演のグスターボ・ドゥダメル、79公演のアンドレス・オロスコ=エストラーダ、78公演のダニエル・ハーディングの順。それに続くのが、御年91歳のヘルベルト・ブロムシュテットで77公演。また、同じ77公演のヤクブ・フルシャ(77)が第9位に入り、第10位のサイモン・ラトル(69)を抑えている。ゲルギエフと並んで数多く公演を指揮しているイメージが強いダニエル・バレンボイムはベスト10に入っていない。
また、女性の指揮者の第1位は、54公演のジョアン・ファレッタで全体の19位。以下、42公演のマリン・オールソップが全体の39位、39公演のミルガ・グラジニーテ=ティーラが44位、27公演のカリーナ・カネラキスが80位、26公演のスザンナ・マルッキが86位という順位。
一方、「最も忙しいオーケストラ」の第1位は、英国のロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団で150公演。以下、北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団(139)、シカゴ交響楽団(126)、フィラデルフィア管弦楽団(123)、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団(120)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (119)、ボストン交響楽団(116)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(110)、ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団(107)、ウィーン交響楽団(102)とメジャーなオーケストラの名前が並んでいる。
ピアニストに目を転じると、公演数でトップに立つのが、イェフィム・ブロンフマンで78公演。以下、ダニール・トリフォノフ(67)、ジャン=イヴ・ティボーデ(66)、ユジャ・ワン(58)、デーネシュ・ヴァーリョン(57)、アンドラーシュ・シフ(54)、キリル・ゲルシュタイン(53)、イゴール・レヴィット(52)、ピエール=ローラン・エマールとヤン・リシエツキが51公演。また、バイオリニストは、ジョシュア・ベル(66)、ジャニーヌ・ ヤンセン(63)、ルノー・カプソンとレオニダス・カヴァコス(61)、イザベル・ファウスト(60)がベスト5。
昨年1年で最も演奏された作曲家はベートーヴェン。2位はモーツァルトで、生誕100年のメモリアル・イヤーだったレナード・バーンスタインが第3位に入った。4位以下は、バッハ、ブラームス、シューベルト、チャイコフスキー、ドビュッシー、シューマン、ヘンデルの順。オペラの上演ランキングは、ヴェルディ《椿姫》、プッチーニ《トスカ》、ビゼー《カルメン》、プッチーニ《蝶々夫人》、ロッシーニ《セビリアの理髪師》、プッチーニ《ラ・ボエーム》、モーツァルト《魔笛》、モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》、モーツァルト《フィガロの結婚》がベスト10。11位はヴェルディ《リゴレット》という結果だった。
劇場ごとの公演数の第1位はウィーン国立歌劇場で211公演。以下、プラハ国立歌劇場(206)、メトロポリタン歌劇場(204)、オペラ・オーストラリア(193)、ライン・ドイツ・オペラ(191)、パリ国立オペラ(183)、チューリヒ歌劇場(177)、フランクフルト歌劇場(171)、バイエルン州立歌劇場(167)、コーミッシェ・オーパー(165)の順。演出家のベスト5は、バリー・コスキーとデイヴィッド・マクヴィカーが121公演で1位を分け合っている。3位は115公演のロバート・カーセン、続いて、ダミアーノ・ミケレット(92)、 フランチェスカ・ザンベロ(89) 。6位を80公演のアンドレアス・ホモキ、ロラン・ペリーで分け合った。
Opera National de Paris / Elisa Haberer
ロンドン発 〓 ランキング2018、オペラの一番人気は《椿姫》
2019/01/09
【最終更新日】2019/12/10
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