ウィーンのコンツェルトハウスが10日に行われる予定だったテオドール・クルレンツィス(Teodor Currentzis)率いるムジカエテルナのコンサートを突然キャンセルした。
10日のコンサートは、ウクライナ支援のためのチャリティー・コンサート。しかし、ウクライナ大使からウクライナのためのコンサートにロシアのアーティストを参加させないよう正式な要請があり、ホール側はその意向を尊重したと説明している。
クルレンツィス率いるムジカエテルナは、ロシア第二の銀行VTB銀行が設立に関わり、長くスポンサーを務めてきた団体。VTB銀行はプーチン大統領に近く、ウクライナ侵略により制裁を受けている。
クルレンツィス自身は3月末、首席指揮者を務める南西ドイツ放送交響楽団と共同声明を出し、ヨーロッパ・ツアーでロシアとウクライナの作曲家の作品を同時に取り上げる姿勢を表明してきたが、個人的にはロシアの侵略に対して特別なアクションは起こしていない。
コンツェルトハウスは、「ロシア連邦のウクライナに対する侵略戦争によって計り知れない苦しみがある時、サンクト・ペテルブルクを拠点とするオーケストラの演奏が政治的側面を持つことを無視することはできない。私たちは、ウクライナにおける戦争犯罪についての絶望を理解し、共有し、この侵略を遠慮なく非難します」と述べている。
クルレンツィスとムジカエテルナは次のシーズンも出演が予定されていたが、ホール側は、オーケストラが独立した資金を確保できるまで、チケットの販売を一時停止することも発表している。
写真:SWR Symphonieorchester
ウィーン発 〓 コンツェルトハウスがクルレンツィス&ムジカエテルナのコンサートをキャンセル、ウクライナ大使の要請受け
2022/04/12
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