訃報 〓 パヴレ・デシュパイ(87)クロアチアの指揮者

2021/12/19
【最終更新日】2023/02/06

クロアチアの作曲家、指揮者のパヴレ・デシュパイ(Pavle Dešpalj)が12月16日、首都ザグレブで亡くなった。87歳だった。ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者、ドゥブロヴニク音楽祭の監督を務めるなど、クロアチアを代表する指揮者の一人。

1934年、ユーゴスラビア時代のクロアチアのブラト生まれ。ザグレブの音楽アカデミーでシュチェパン・シュレックに作曲を師事、卒業後、1961年にクロアチア西部のザダルで室内管弦楽団を設立、ザダル音楽祭を起ち上げた。その後、1962年から1967年までザグレブ放送交響楽団の首席指揮者を務めた。1966年にベオグラード室内管弦楽団を設立している。

1968年から米国での活動をスタート。1968年からフロリダ交響楽団とフロリダのオーランド・オペラを指揮を始め、1970年から1981年まで双方の音楽監督を務めた。また、東欧圏のみならず、世界各地のオーケストラに客演を重ねた。

帰国後の1981年、ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者に就任(-1986年)。同時にドゥブロヴニク音楽祭の監督にも就任し、1983年まで務めた。ザグレブ・フィル時代は海外ツアーにも同行している。退任後、1987年から1995年までザグレブ音楽アカデミーの指揮教授も務めた。

1995年から1998年は東京藝術大学の指揮科教授。日本では東京藝術大学フィルハーモニー管弦楽団を中心に指揮した。帰国後は彼はクロアチア室内管弦楽団、スプリット室内管弦楽団の首席指揮者を歴任。クロアチア国立オペラなどにも客演を続けていた。

写真:Igor Soban / PIXSELL


関連記事

  1. ウィーン発 〓 フォルクスオーパーの総監督に演出家のロッテ・デ・ベア

  2. ブレーメン発 〓 市立劇場の次期音楽総監督にシュテファン・クリンゲレ

  3. 訃報 〓 オトマール・マーガ(90)ドイツの指揮者

  4. 訃報 〓 カルロ・フランチ(91)イタリアの指揮者

  5. ミュンヘン発 〓 ゲルトナープラッツ州立劇場の次期首席指揮者にアルゼンチン出身のルベン・ドゥブロフスキー

  6. 福岡発 〓 九州交響楽団が音楽監督の小泉和裕との契約を延長

  7. 東京発 〓 「全国共同制作オペラ」が2024年度にプッチーニ《ラ・ボエーム》を新制作、指揮は井上

  8. ハンブルク発 〓 シルヴァン・カンブルランが首席指揮者を務めるハンブルク響との契約を延長

  9. トゥールーズ発 〓 キャピトル国立管が音楽監督を辞任したトゥガン・ソヒエフに「名誉指揮者」の称号

  10. ワルシャワ発 〓 第18回ショパン国際ピアノ・コンクールの予備予選終了、日本からは14人が本大会へ

  11. ベルリン発 〓 ペトレンコとベルリン・フィルもウクライナへの連帯を表明

  12. ザンクト・ペルテン発 〓 トーンキュンストラー管の次期首席指揮者にファビアン・ガベル、佐渡裕の後任

  13. ベルゲン発 〓 ベルゲン・フィルの首席客演指揮者にマーク・エルダー

  14. ベルリン発 〓 ベルリン・フィル初の女性コンサートマスター、ヴィネタ・サレイカ=フォルクナーが退団へ

  15. 東京発 〓 ドミンゴが東京五輪イベントへの出演を辞退

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。