イタリアのソプラノ歌手ロザンナ・カンテリ(Rosanna Carteri)が25日、モンテカルロで亡くなった。89歳だった。舞台からの引退は36歳と早かったが、主に1950年代から1960年代半ばまで国際的な活躍を続けた。
ヴェローナで生まれ、パドヴァで育った。1948年のイタリア放送協会(RAI)の歌唱コンテストで優勝。19歳だった1949年、ローマのカラカラ浴場でワーグナー《ローエングリン》のエルザ役を歌ってオペラ・デビューした。
1951年にはミラノ・スカラ座にデビュー。1952年にはザルツブルク音楽祭にデビューし、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーが指揮する《オテロ》で、デズデモーナを歌っている。その後、欧米の歌劇場に次々にデビューした。
幅広いレパートリーで活躍。現代物にも積極的に参加。プロコフェフの《戦争と平和》のヨーロッパ初演をはじめ、ピッツェッティ、フアン・ホセ・カストロ、カステルヌオーヴォ=テデスコの初演で歌っている。
写真:Lyric Opera of Chicago
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