訃報 〓 カーライル・フロイド, アメリカの作曲家

2021/10/02

アメリカの作曲家カーライル・フロイド(Carlisle Floyd)が9月30日に亡くなった。95歳だった。旧約聖書の外典からの物語を現代のテネシー州の田舎に移し、セリフを南部の方言で書いた《スザンナ》など、現代社会の歪みに目を向けたオペラを数多く作曲したことで知られる。

サウスカロライナ州ラッタの生まれで、メソジスト牧師の家庭で育ち、スパルタンバーグのコンバース大学、ニューヨーク州シラキュース大学で学んだ。卒業後、フロリダ州立大学でピアノの講師を務めながら作曲活動をスタートさせ、後にピアノと作曲の教授を歴任した。

1949年の《遅い夕暮れ》から1955年の《スザンナ》、1958年の《嵐が丘》、1970年の《鼠と人間》、1976年の《ビリーの人形》、2000年の《冷たい生意気な木》など、発表されたオペラは13作品。その貢献で、2004年には国民芸術勲章が贈られている。

旺盛な創作欲は晩年まで衰えることなく、89歳だった2016年には、17世紀王政復古期のイギリスで絶大な人気を誇った最後の女形スター、エドワード・キナストンを主人公にした《役者王子》を発表している。

写真:National Medal of Arts award / Susan Sterner


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