ソプラノ歌手の伊藤京子が7月25日、老衰のため94歳で亡くなった。戦後のオペラ界を代表する歌手の一人で、数多くの作品に出演。その後、後進の指導に尽力し、日本演奏連盟理事長など音楽団体の要職も歴任して音楽界に大きな足跡を残した。
静岡県掛川市出身で、本名は長谷川京(はせがわ・きょう)。東京音楽学校(現在の東京芸術大学)で学び、1949年の日本音楽コンクールで第1位を獲得、静岡繋がりから「第二の三浦環」などと呼ばれて注目を集め、プロ歌手の道へ進んだ。
翌1951年、「東京オペラ協会」の旗揚げ公演で、日本初演されたプッチーニ《トゥーランドット》のリュー役を歌ってオペラ・デビュー。その後、その後、ヴェルディ《椿姫》のヴィオレッタなどのヒロイン役を数多く歌い、華々しい活躍を続けた。中でも、團伊玖磨《夕鶴》のつう役は当たり役として知られる。
その後、国立音楽大学で後進の指導に尽力、同時に日本演奏連盟理事長をはじめとする音楽団体の要職も歴任した。故郷の静岡では、三浦環没後50周年を記念して1996年に創設された「静岡国際オペラコンクール」の審査委員長、県民オペラ芸術監督も務めた。日本芸術院会員。1988年に紫綬褒章。
写真:Mt. Fuji International Opera Competition of Shizuoka
訃報 〓 伊藤京子(94)日本のソプラノ歌手
2021/08/02
【最終更新日】2023/02/06
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