ベルリン発 〓 ベルリンのオペラ界、オーケストラ界が一致団結で予算削減計画の撤回求める嘆願書を提出

2024/09/26

ベルリンを拠点とするオーケストラ、オペラの総監督、指揮者たちが予算削減計画の撤回を求める嘆願書を上院に提出した。文化予算削減計画では、2025年に1億1000万ユーロ(約177億円)、2026年に1億5000万ユーロの削減する。

嘆願書では、ベルリンの労働人口の8.2パーセントが文化セクターで働いており、削減によって音楽界だけではなく、ホテルやレストラン業界、観光業、地域交通、小売業など、文化に関連する経済部門も深刻な損失を被ることになるとしている。

キリル・ペトレンコ(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者兼芸術監督)
=ベルリンの極めて重要な文化的多様性を維持し、あらゆる分野からその分野の最高の人材を引き続き惹きつけておきたいのであれば、私たちの機関の財政基盤をいじくり回してはなりません。ましてや、その存在自体を疑問視するなどということはあってはなりません。

クリスティアン・ティーレマン(ベルリン州立歌劇場音楽総監督)
=ベルリンのクラシック音楽シーンは比類なく、世界的な評価を得ています。 ベルリン市内でのコンサートに加え、私たちはツアーやメディア放送を通じて、ベルリンを文化の卓越性の代名詞となるよう貢献しています。 政治家たちは、ベルリンからドイツの他の地域に向けて、このような破壊的なメッセージを発信することを本当に許したいのでしょうか?

ヨアナ・マルヴィッツ(コンツェルトハウス管弦楽団の首席指揮者兼芸術監督)
=私たちは今こそ、社会の核となる部分を強化し、社会の結束力を高め、文化的なアイデンティティに肯定的なイメージを与える必要があることに気づくべきです。ですから、私たちの目標は、音楽や文化へのアクセスをさらに容易にすることに他なりません。文化予算の削減がもたらす損害は計り知れず、私たち文化機関に深刻な影響を与えるだけでなく、社会全体の結束力を脅かすことにもなるでしょう。

フィリップ・ブローキング(ベルリン・コーミッシェ・オーパー芸術監督兼オペラ監督)
スザンネ・モーザー(ベルリン・コーミッシェ・オーパー芸術監督兼経営責任者
セバスチャン・ノルトマン(ベルリン・コンツェルトハウス館長)
アンセルム・ローズ(ベルリン放送管弦楽団・合唱団経営責任者)
ディートマー・シュヴァルツ(ベルリン・ドイツ・オペラ総支配人)
エリザベス・ソボトカ(ベルリン州立歌劇場芸術監督
クリスティアン・シュプック(ベルリン州立バレエ団芸術監督)
ゲオルク・フィアターラー(ベルリン・オペラ財団総裁)
アンドレア・ツィーツシュマン(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団財団総支配人)

=文化はベルリンの心臓部であり、世界中から人々を惹きつけ、重要な経済要因となり、雇用を生み出し、私たちの都市を住みよい場所にしています。 私たちの都市の文化機関は、国際的な魅力を持つ芸術の場であるだけでなく、ベルリンをビジネス拠点として維持するためにも緊急に必要とされています。 ひとつだけはっきりしているのは、文化部門の削減は長期的にベルリンの都市に多大な損害を与えるということです。

写真:Sputnik


関連記事

  1. ニューヨーク発 〓 メトロポリタン歌劇場管が2021年の夏にヨーロッパ・ツアー

  2. クリーブランド発 〓 クリーブランド管が2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

  3. ミュンヘン発 〓 作曲家ワーグナーの曾孫、エヴァ・ワグナー・パスキエが退院

  4. ウィーン発 〓 演出家のマルティン・クシェイがブルク劇場の芸術監督を退任

  5. 訃報 〓 イヴリー・ギトリス(98)イスラエルのヴァイオリニスト

  6. ベルリン発 〓 ベルリン音楽祭が2024年の公演ラインナップを発表、ウィーン・フィルが初客演

  7. ニュルンベルク発 〓 演出家のペーター・コンヴィチュニー、初日前にまた解任される

  8. ベルリン発 〓 ベルリン音楽祭が閉幕、5万人を超える聴衆を集める盛況。ウィーン・フィルも音楽祭デビュー

  9. ミラノ発 〓 スカラ座で新たに二人の感染者

  10. ウィーン発 〓 国立歌劇場管のコンサートマスターにイスラエルの若手ヤメン・サーディ

  11. ギュータースロー発 〓 若手歌手のための国際コンクール「新しい声」が終了

  12. ロサンゼルス発 〓 夏の風物詩「ハリウッドボウル」も開催中止

  13. 香港発 〓 イップ・ウィンシーが香港シンフォニエッタを卒業!?

  14. ザルツブルク発 〓 夏の音楽祭はプログラムを組み直して開催を模索

  15. 訃報 〓 ガリーナ・ピサレンコ(88)ロシアのソプラノ歌手

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。