東京発 〓 第31回「芥川也寸志サントリー作曲賞」に桑原ゆう《タイム・アビス〜17人の奏者による2群のアンサンブルのための》

2021/09/02

第31回「芥川也寸志サントリー作曲賞」の公開選考が8月28日、サントリーホールで行われ、受賞作が桑原ゆうの《タイム・アビス〜17人の奏者による2群のアンサンブルのための》に決まった。桑原には賞状と賞金150万円が贈られた。

作曲賞は1990年、故・芥川也寸志の功績を記念してサントリー音楽財団(現在は公益財団法人・サントリー芸術財団)が創設。日本の新進作曲家の作品を対象としており、演奏会形式による公開選考で受賞作を決定。受賞作曲家には新しいオーケストラ作品が委嘱され、2年後にその初演が行なわれる。

桑原は1984年生まれ。東京藝術大学、大学院で学び、日本の音と言葉の源流に遡り、文化の古今と東西を繋ぐという切り口から創作を展開。国立劇場や神奈川県立音楽堂をはじめ、国内外より委嘱を受けている。「淡座」メンバー。洗足学園音楽大学非常勤講師。

第31回のノミネート作品は3作品で、他の2作品は、杉山洋一の《自画像〜オーケストラのための》、原島拓也の《寄せ木ファッション〜琵琶とオーケストラのための》。

公開演奏は杉山が指揮する新日本フィルハーモニー交響楽団によって行われ、演奏終了後、選考委員の近藤譲、坂田直樹、原田敬子が沼野雄司の司会で公開討議が行った。桑原の作品は「最先端の作曲技術を駆使して、3種の時間の概念をベースとした新しい聴体験をもたらした」と高く評価されている。

写真:Suntory Foundation for the Arts


    もっと詳しく ▷

関連記事

  1. シカゴ発 〓 シカゴ響が来年1月から3月末まで公演をキャンセル

  2. ベルリン発 〓 ドイツが過去最大規模の21億ユーロで文化支出を支援

  3. ベルリン発 〓 第2回「オーパス・クラシック賞」決まる

  4. ベルリン発 〓 ベルリン・ドイツ・オペラが2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表

  5. ウィーン発 〓 アン・デア・ウィーン劇場が新制作のベートーヴェン《フィデリオ》を上演前にストリーミング配信

  6. 東京発 〓 第33回「高松宮殿下記念世界文化賞」、音楽部門はピアノのクリスチャン・ツィメルマン

  7. ライプツィヒ発 〓 18代目の「トーマスカントル」にアンドレアス・ライズが就任

  8. ベルリン発 〓 ベルリン・フィルの新しいクラリネット奏者はともにスロベニア出身で同門という二人

  9. 訃報 〓 グレアム・ヴィック(67)イギリスの演出家

  10. 訃報 〓 パヴレ・デシュパイ(87)クロアチアの指揮者

  11. ロンドン発 〓 オペラ・ホーランド・パークが2022年の公演ラインナップを発表

  12. ウィーン発 〓 国立歌劇場が3月第4週のストリーミング配信のラインナップを発表

  13. ミュンヘン発 〓 ラトルが新ホール建設求め、バイエルン州の音楽家たちと「フラッシュモブ」

  14. テルアビブ発 〓 ズービン・メータに新型コロナの陽性反応、イスラエル・フィルの最終日はキャンセル

  15. 松本発 〓 「セイジ・オザワ松本フェスティバル」2年連続の中止を発表

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。