フィラデルフィア発 〓 ピアニストのゲイリー・グラフマンがカーティス音楽院を退任

2021/09/02

フィラデルフィアのカーティス音楽院(Curtis Institute of Music)で後進の指導に当たっていたピアニストのゲイリー・グラフマン(Gary Graffman)が退任したと、米国の複数のメディアが伝えている。

グラフマンはニューヨーク生まれの92歳。10月には93歳の誕生日を迎えるピアニスト界の最長老。グラフマンにとってカーティス音楽院は7歳で入学した母校で、1980年に教授に就任、1995年から2006年にかけて学長も務め、退任後も後進の指導に当たってきた。

両親はロシア系ユダヤ人で、音楽院を卒業して18歳でフィラデルフィア管弦楽団にデビューし、若くしてソリストとしてその名が内外に知られた。その後、さらにウラジーミル・ホロヴィッツ、ルドルフ・ゼルキンのもとで研鑽を積み、マールボロ音楽祭などにも参加。30年以上にわたり、演奏活動や録音を積極的に行い、世界中のオーケストラと共演を重ねた。

しかし、1979年に右手を故障し、1980年に音楽院に迎えられることに。その後は後進の指導に傾注、門下からはラン・ランやユジャ・ワン、クレア・フアンチら数多くのピアニストが巣立っている。また、室内楽演奏の指導にも携わってきた。

グラフマンは現在もニューヨーク在住。報道によると、フィラデルフィアまで約160キロの道のりを通っていたという。音楽院では今年度から、講師陣による自宅レッスンを虐待防止のため禁止。グラフマンはオンラインで教えることには興味がないのだという。

音楽院からは、グラフマンの退任についての発表はまだない。

写真:Curtis Institute of Music


関連記事

  1. ワシントン発 〓 ケネディ・センターがナショナル響の楽団員をレイオフ

  2. 訃報 〓 セルゲイ・ドレンスキー(88)ロシアのピアニスト

  3. モンテカルロ発 〓 山田和樹がモンテカルロ・フィルの芸術監督兼音楽監督を2026年で退任

  4. モンテカルロ発 〓 チェチーリア・バルトリがモンテカルロ歌劇場の監督に

  5. サンクト・ペテルブルク発 〓 イルダル・アブドラザコフが名門ミハイロフスキー劇場の芸術監督に

  6. パリ発 〓 パリ五輪の閉会式で、映画「パリのちいさなオーケストラ」のモデルとなったザイア・ジウアニ&ディヴェルティメント響が演奏

  7. ニューヨーク発 〓 ニューヨーク・フィルが2022/2023シーズンの公演ラインナップを発表、次期音楽監督めぐり注目集める客演指揮者たち

  8. ロンドン発 〓 アンドルー・ロイド・ウェバーの新作ミュージカル《シンデレラ 》の開幕を延期

  9. ニューヨーク発 〓 ウクライナ人演奏家集めた「フリーダム・オーケストラ」が欧米をツアー

  10. パレルモ発 〓 ムーティが50年ぶりにマッシモ劇場管弦楽団の指揮台に

  11. 東京発 〓 サントリーホールが現代音楽に特化した新たなアンサンブル創設、「創立指揮者」に沼尻竜典

  12. ニューヨーク発 〓 人権団体がベネズエラ大統領選めぐり、ドゥダメルに対して抗議行動

  13. チューリッヒ発 〓 トーンハレが9月にリニューアル・オープン

  14. ケベック発 〓 空席だったケベック響の音楽監督にクレメンス・シュルト

  15. ワシントン発 〓 トランプ大統領自らが「ケネディ・センター」の理事長に就任、リベラル派を一掃

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。