2020年夏のザルツブルク音楽祭のスケジュールが発表された。リヒャルト・シュトラウス、フーゴ・フォン・ホーフマンスタールたちによって、モーツァルトの生地に音楽祭が創設されたのは1920年で、2020年は音楽祭にとって100周年という節目の年を迎える。発表によると、2020年の音楽祭は7月17日に開幕、8月31日に幕を閉じる。期間中、20近い会場で200を超える公演が繰り広げられる。
注目を集めるオペラは、新制作、再演、コンサート形式を含めて10作品。新制作はクリストフ・ ワリコフスキ演出でフランツ・ウェルザー=メストが指揮する《エレクトラ》、ロメオ・カステルッチ演出で、テオドール・クルレンツィスが指揮する《ドン・ジョヴァンニ》、クリストフ・ロイ演出でマリス・ヤンソンスが指揮する《ボリス・ゴドノフ》が話題の中心。アンナ・ネトレプコが《トスカ》、プラシド・ドミンゴは《シチリア島の夕べの祈り》に出演する。
一方、音楽祭の「レジデント・オーケストラ=座付きオーケストラ」であるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートを指揮する指揮者はマリス・ヤンソンス、リッカルド・ムーティ、クリスティアン・ティーレマン、グスターボ・ドゥダメルの5人。2020年が生誕250年に当たるベートーヴェンは、ムーティがウィーン・フィルを指揮して《第九》を指揮する。
また、客演オーケストラは、ミルガ・グラジニーテ=ティーラ&バーミンガム市交響楽団、ダニエル・バレンボイム&ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団、インゴ・メッツマッハー&マーラー・ユーゲント管弦楽団、マンフレート・ホーネック&ピッツバーグ交響楽団、キリル・ペトレンコ&ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団など。
リサイタルなどのアーティストの顔ぶれもいつもながらに多彩。マルタ・アルゲリッチ、クリスティアン・ゲルハーヘル、エフゲニー・キーシン、マウリツィオ・ポリーニ、パトリツィア・コパチンスカヤたちが充実を聴かせる。イゴール・レヴィットはモーツァルテウム音楽院大ホールを会場に、8夜にわたるベートーヴェンのピアノ・ソナタの全曲演奏に挑む。
オペラ
リヒャルト・シュトラウス《エレクトラ》= 新制作
会場:フェルゼンライトシューレ
演出:クリストフ・ ワリコフスキ
指揮:フランツ・ウェルザー=メスト
出演:ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー / アウシュリネ・ストゥンディーテ / アスミック・グリゴリアン / マイケル・ローレンツ / デレク・ウェルトン / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 / ウィーン楽友協会合唱団
モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》= 新制作
会場:祝祭大劇場
演出:ロメオ・カステルッチ
指揮:テオドール・クルレンツィス
出演:ダヴィデ・ルチアーノ / ミカ・カレス / ナデージダ・パヴロヴァ / マイケル・スパイレス / フェデリカ・ロンバルディ / ヴィート・プリアンテ / ムジカエテルナ
プッチーニ《トスカ》= 再演
会場:祝祭大劇場
演出:ミヒャエル・シュトゥルミンガー
指揮:マルコ・アルミリアート
出演:アンナ・ネトレプコ / ユシフ・エイヴァゾフ / リュドヴィク・テジエ / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 / ウィーン楽友協会合唱団
モーツァルト《魔笛》= 再演 ※再ステージング
会場:モーツァルト劇場
演出:リディア・シュタイアー
指揮:ヨアナ・マルヴィッツ
出演:タレク・ナズミ / マウロ・ペーター / ブレンダ・ラエ / レグラ・ミューレマン / アダム・プラチェトカ / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 / ウィーン楽友協会合唱団
ノーノ《不寛容》= 新制作
会場:フェルゼンライトシューレ
演出:ヤン・ロワース
指揮:インゴ・メッツマッハー
出演:ショーン・パニカー / サラ・マリア・サン / アンナ・マリア・キウリ / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 / ウィーン楽友協会合唱団
ドニゼッティ《ドン・パスクワーレ》= 再演
会場:モーツァルト劇場
演出:パトリス・コリエ & モーシェ・ライザー
指揮:ジャンルカ・カプアーノ
出演:チェチーリア・バルトリ / ハヴィエル・カマレナ / ペーター・カールマン / ニコラ・アライモ / モナコ公の音楽家たち / ウィーン・フィルハーモニア合唱団
ムソルグスキー《ボリス・ゴドノフ》= 新制作
会場:祝祭大劇場
演出:クリストフ・ロイ
指揮:マリス・ヤンソンス
出演:イルダル・アブドラザコフ / ドミトリー・ゴロブニン / パヴェル・チェルノフ / ボグダン・ヴォルコフ / ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 / ウィーン楽友協会合唱団
(コンサート形式)
ヘンデル《メサイア》
会場:モーツァルト劇場
演出:ロバート・ウィルソン
指揮:マルク・ミンコフスキー
出演:エレーナ・ ツァラゴワ / ルシール・リシャード / リチャード・クロフト / (Tenor), ホセ・コカ・ロサ / ルーヴル宮音楽隊 / ウィーン・フィルハーモニア合唱団
モートン・フェルドマン《~でもなく=Neither》
会場:コレーギエン教会
指揮:イラン・ヴォルコフ
出演:サラ・アリスティド / ウィーン放送交響楽団 / ミンゲット弦楽四重奏団
ヴェルディ《シチリア島の夕べの祈り》
会場:フェルゼンライトシューレ
指揮:ダニエレ・ルスティオーニ
出演:プラシド・ドミンゴ / ネヴェン・クニック / ファビオ・サルトリ / ミカ・カレス / レイチェル・ウィリス・ソレンセン / モーツァルテウム管弦楽団 / ウィーン・フィルハーモニア合唱団
写真:Salzburger Festspiele / anne-zeuner
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ザルツブルク音楽祭 〓 2020年夏の音楽祭のプログラムを発表
2019/11/14
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