ザルツブルク発 〓 ザルツブルク音楽祭が2023年夏の公演ラインナップを発表

2022/12/11

オーストリアのザルツブルク音楽祭(Salzburger Festspiele)が2023年の公演ラインナップを発表した。それによると、音楽祭は7月20日から8月31日の開催。

オペラは、新制作、再演、コンサート形式を含めて8作品。マルティン・クシェイ演出のモーツァルト《フィガロの結婚》、クリストフ・ワリコフスキ演出のヴェルディ《マクベス》、クリストフ・マルターラー演出のヴェルディ《ファルスタッフ》の3作品が新制作される。また、聖霊降臨祭の芸術監督を務めるチェチーリア・バルトリ自らが出演するグルック《オルフェオとエウリディーチェ》が夏の音楽祭でも上演される。

コンサート形式による上演は3作品。テオドール・クルレンツィス率いるユートピア・オーケストラがパーセル《インドの女王》、マルコ・アルミリアート指揮のモーツァルテウム管弦楽団がベッリーニ《カプレーティとモンテッキ》、ジョン・エリオット・ガーディナーとオルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティックによってベルリオーズ《トロイ人》が上演される。

音楽祭の「レジデント・オーケストラ=座付きオーケストラ」であるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートを指揮する指揮者は、クリスティアン・ティーレマン、アンドリス・ネルソンス、リッカルド・ムーティ、フランツ・ウェルザー=メスト、ヤクブ・フルシャの5人。

一方、2023年の「モーツァルト・マチネー」コンサートはアイヴァー・ボルトン、ロベルト・ゴンサレス=モンハス、アダム・フィッシャー、イェルク・ヴィトマン、アントネッロ・マナコルダが指揮する。

リサイタルなどのアーティストの顔ぶれも例年通りの豪華さで、ピエール=ローラン・エマール、イゴール・レヴィット、エフゲニー・キーシン、ルノー・カプソン、アンドラーシュ・シフ、グリゴリー・ソコロフ、アルカーディ・ヴォロドス、内田光子たちが顔を揃える。

また、客演オーケストラは、カメラータ・ザルツブルク(指揮はマンフレート・ホーネック)、南西ドイツ放送交響楽団(インゴ・メッツマッハー)、ウィーン放送交響楽団(エリム・チャン)、ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団(ダニエル・バレンボイム)、グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団(ヤクブ・フルシャ)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(キリル・ペトレンコ)などが顔を揃える。

最後、31日の音楽祭を締め括るコンサートは、アンドリス・ネルソンスと手兵のボストン交響楽団で、アンネ=ゾフィー・ムターをソリストに迎えるジョン・ウィリアムズのヴァイオリンとオーケストラのための協奏曲第2番、ストラビンスキーの《ペトリューシュカ》組曲などを取り上げる。


 ……… オペラ

7月27日 →
モーツァルト《フィガロの結婚》
[演出]マルティン・クシェイ
[出演]アンドレ・シュエン / アドリアナ・ゴンザレス / サビーヌ・ドゥヴィエル / クシシュトフ・ボンチク / レア・デサンドレ
[指揮]ラファエル・ピション
[オーケストラ]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 会場:モーツァルト劇場

7月29日 →
ヴェルディ《マクベス》
[演出]クリストフ・ワリコフスキ
[出演]ヴラジスラフ・スリムスキー / アスミク・グリゴリアン / タレク・ナズミ / テテルマンジョナサン・テテルマン
[指揮]フランツ・ウェルザー=メスト
[オーケストラ]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 会場:祝祭大劇場

8月12日 →
ヴェルディ《ファルスタッフ》
[演出]クリストフ・マルターラー
[出演]ジェラルド・フィンリー / サイモン・キーンリーサイド / エレナ・スティッキナ / ボグダン・ヴォルコフ / イン・ファン(=方穎) / ターニャ・アリアーネ・バウムガルトナー
[指揮]インゴ・メッツマッハー
[オーケストラ]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 会場:祝祭大劇場

8月13日 →
マルティヌー《ギリシャ受難劇》
[演出]サイモン・ストーン
[出演]ガボール・ブレッツ / チャールズ・ワークマン / マテウス・シュミットレヒナー / ゼバスティアン・コールヘップ / サラ・ヤクビアク
[指揮]マキシム・パスカル
[オーケストラ]ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 会場:フェルゼンライトシューレ

7月31日
パーセル《インドの女王》=コンサート形式
[出演]ジャニーヌ・ド・ビケ / ユリアン・プレガルディエン / レイチェル・レドモンド
[指揮]テオドール・クルレンツィス
[オーケストラ]ユートピア・オーケストラ
 会場:フェルゼンライトシューレ

8月19日
ベッリーニ《カプレーティとモンテッキ》=コンサート形式
[出演]ミケーレ・ペルトゥージ / アイグル・アクメチーナ / ペネ・パティ / エルザ・ドライジグ / パティロベルト・タリアヴィーニ
[指揮]マルコ・アルミリアート
[オーケストラ]モーツァルテウム管弦楽団
 会場:フェルゼンライトシューレ

8月26日
ベルリオーズ《トロイ人》=コンサート形式
[出演]マイケル・スパイレス / リオネル・ローテ / アシュリー・リッチズ / ウィリアム・トーマス / ローレンス・キルスビー / アリス・クート / ポーラ・マリヒー
[指揮]ジョン・エリオット・ガーディナー
[オーケストラ] オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティック
 会場:祝祭大劇場

写真:Salzburger Festspiele /  WDR


    音楽祭プロフィールはこちら ▷


関連記事

  1. ウィーン発 〓 2023年の「ニューイヤー・コンサート」のプログラム発表、なんと15曲中14曲が初出、少女合唱団の初共演も話題

  2. ザルツブルク発 〓 夏の音楽祭の開幕は8月1日、規模は大幅縮小

  3. ヴェローナ音楽祭 〓 リッカルド・ムーティが2021年の音楽祭に登場

  4. ドレスデン発 〓 ドレスデン音楽祭が2022年の公演ラインナップを発表

  5. ルツェルン音楽祭 〓 リッカルド・シャイーが音楽祭管弦楽団との契約を延長

  6. ザルツブルク復活祭音楽祭 〓 来年のオペラはネトレプコ主演の《トゥーランドット》

  7. グラフェネック発 〓 小澤征爾がオーストリア音楽劇場賞の特別賞「国際文化貢献賞」を受賞

  8. ゲッティンゲン国際ヘンデル音楽祭 〓 第100回の音楽祭の開催を断念

  9. サヴォンリンナ・オペラ・フェスティバル 〓 2022年の公演ラインナップを早くも発表

  10. ウィーン発 〓 ウィーン国立歌劇場管のコンサートマスターにフョードル・ルディン

  11. ウィーン発 〓 ウィーン国立歌劇場が4月後半のストリーミング配信のラインナップを発表

  12. 越前発 〓 武生国際音楽祭が開幕

  13. バーデン=バーデン音楽祭 〓 バーデン=バーデン音楽祭が2023年の公演ラインナップを発表。25周年迎えてカウフマンで開幕、フローレスで閉幕

  14. ウィーン発 〓 バルトリが国立歌劇場にデビュー!

  15. ザルツブルク発 〓 夏の音楽祭が2025年の公演ラインナップを発表、反田恭平と藤田真央も出演

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。