エール・フランスの非常勤パイロットとしての顔を持つ指揮者のダニエル・ハーディング(Daniel Harding)が先日、自ら乗務する1205便で、2025/2026シーズンから首席指揮者を務めるサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団(Orchestra dell’Accademia Nazionale di Santa Cecilia)のメンバーをローマからパリまで運んだ。「ニューヨーク・タイムズ」が報じている。
ハーディングはオックスフォード生まれの49歳。パイロットの免許を取得するため、2016年からその任にあったパリ管弦楽団の音楽監督を2019年で退任、2020年から指揮活動のかたわらエールフランスの非常勤パイロットとしても活動している。
報道によると、降下態勢に入ったところで副操縦士のハーディングが「エールフランスをご利用いただきありがとうございます」に続けて、パリの天気、到着までの時間などをアナウンス。「そして、忘れないでください。リハーサルは午後6時からです」と締め括ると、口笛が吹かれ機内は歓声に包まれたという。
これまでパリ、ミラノ、ストックホルム、チュニス行きの便で操縦桿を握っており、取材に対して「飛行機では、あらゆる脅威を特定し、それらに近づかないようにしなければなりません。しかし音楽では、その反対です。私たちは、破滅にできる限り近づかなければならないのです」と語っている。
写真:Musa / Musacchio, Pasqualini
ローマ発 〓 “パイロット”ハーディングが自分が乗務する便で、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管のメンバーをパリへ
2025/01/12
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