ローマ発 〓 “パイロット”ハーディングが自分が乗務する便で、サンタ・チェチーリア国立アカデミー管のメンバーをパリへ

2025/01/12

エール・フランスの非常勤パイロットとしての顔を持つ指揮者のダニエル・ハーディング(Daniel Harding)が先日、自ら乗務する1205便で、2025/2026シーズンから首席指揮者を務めるサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団(Orchestra dell’Accademia Nazionale di Santa Cecilia)のメンバーをローマからパリまで運んだ。「ニューヨーク・タイムズ」が報じている。

ハーディングはオックスフォード生まれの49歳。パイロットの免許を取得するため、2016年からその任にあったパリ管弦楽団の音楽監督を2019年で退任、2020年から指揮活動のかたわらエールフランスの非常勤パイロットとしても活動している。

報道によると、降下態勢に入ったところで副操縦士のハーディングが「エールフランスをご利用いただきありがとうございます」に続けて、パリの天気、到着までの時間などをアナウンス。「そして、忘れないでください。リハーサルは午後6時からです」と締め括ると、口笛が吹かれ機内は歓声に包まれたという。

これまでパリ、ミラノ、ストックホルム、チュニス行きの便で操縦桿を握っており、取材に対して「飛行機では、あらゆる脅威を特定し、それらに近づかないようにしなければなりません。しかし音楽では、その反対です。私たちは、破滅にできる限り近づかなければならないのです」と語っている。

写真:Musa / Musacchio, Pasqualini


関連記事

  1. パリ発 〓 パリ国立オペラが「ウクライナ支援コンサート」

  2. 訃報 〓 ルイジ・アルヴァ(98)ペルー出身のテノール歌手

  3. ワルシャワ発 〓 第18回「ショパン国際ピアノ・コンクール」でカナダのブルース・リウが優勝。日本勢は2位に反田恭平、小林愛実が4位に入賞

  4. 訃報 〓 アンジェロ・ロ・フォレーゼ(90)イタリアのテノール歌手

  5. ウィーン発 〓 国立歌劇場が4月第3週のストリーミング・ラインナップを発表、新制作の《パルジファル》も

  6. デュッセルドルフ発 〓 シューマンの旧居を博物館に

  7. ラ・スペツィア発 〓 空母の甲板でオペラ《蝶々夫人》を上演

  8. 東京発 〓 新日本フィルが2020/2021シーズンのラインナップを発表

  9. シカゴ発 〓 トップ・オーケストラの首席奏者として在任最長記録を持つシカゴ響のジェイ・フリードマンが退団

  10. ロンドン発 〓 フェリックス・ミルデンベルガーが「ドナテッラ・フリック指揮者コンクール」で優勝

  11. ドレスデン発 〓 空席だった聖母教会オルガン奏者に27歳のニクラス・ヤーン

  12. トリノ発 〓 リッカルド・ムーティがストリーミングのための《コジ・ファン・トゥッテ》を指揮してトリノ歌劇場にデビュー

  13. 東京発 〓 原田慶太楼が東響の正指揮者に

  14. フランクフルト発 〓 hr響が首席指揮者のアラン・アルティノグリュとの契約を延長

  15. ベルリン発 〓 ベルリンの7つのオーケストラが史上初の合同演奏会

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。